2012/7/24

松の木を立てて神迎え

上賀茂神社境内の3葉の松

この松の葉を立てるしきたりは神代の昔の出来事にちなむ。伝承によると、同社の祭神、賀茂別雷神(かもわけいかづちかみ)は同社の背後にある「神山(こうやま)」に降臨した。人々は神山に登り、祭祀(さいし)を行っていたが、神を里に迎えて祭祀を営むために、神山から引いてきた松の木を立てて神迎えをした。そして社殿が建てられたころに松の木は松の葉に代えられ、立てられた場所に砂を大きく盛るようになったとされる。


上賀茂神社のご神体「神山」

同社の立砂は細殿の前のものが有名だが、実はほかに2対ある。その場所は本殿の祝詞座(のりとざ)の前と祝詞座の背後だ。いずれも円すい形で、この3対を比べると祝詞座の前、祝詞座の背後、細殿の前の順で大きく盛ってあるという。立砂は砂だけを盛っているものの、円すい形の形状が幸いして存外に雨に強い。それでも、大雨に遭うと形が乱れるため、その都度、神職が整え直している。用いるのは大判の木製コテと境内を流れる「ならの小川」の水。左右共に1人の神職が手掛けるようにしている。「神職の個性によって形が違ってしまうので、1人でないと左右対称にならない」(藤木さん)からで、整え直すのに1時間強~2時間かかるという。

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