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朝・夕刊の「W」

ルワンダの奇跡 崩れる慣習、可能性開く Wの未来 世界を動かす(4)

2013/5/12

民族対立で内戦を繰り返し、80万人以上が虐殺される事件も起きたアフリカ中部のルワンダ。男尊女卑の傾向が強かった同国では女性は就職で差別され、10年前まで男性と同じように教育を受けることもできなかった。それが、今……。

■アラブにも波及

女子中学生を対象にしたビジネスセミナーで講演する女性パネリスト(4月25日、キガリ郊外)

「育児と仕事の両立方法は?」「男性職場で勝ち抜くには?」。4月下旬、首都キガリ郊外の中学校で政府と民間企業が女子中学生向けのビジネスセミナーを初めて開いた。パネリストは第一線で働くルワンダ人女性。気温30度近い会場を埋め尽くした約150人の生徒は次々と手を挙げ、パネリストを質問攻めにした。

政府関係者は「女生徒に早い時期からビジネスへの関心を持ってほしい」と狙いを明かす。現在のルワンダは男女同権が浸透、下院議員に占める女性比率は56.3%とスウェーデンなどを上回り世界一だ。

発端は内戦で男性が減った後の新政権が苦肉の策で打ち出した「女性の活用」。2003年には議席の3割以上を女性とするクオータ制(割当制)を導入した。これが思わぬ効果を生んだ。「女性の意見を取り入れる風潮が政界から社会の隅々に広がった」。08年に女性初の下院議長に選ばれたローズ・ムカンタバナ(51)は変化を強調する。

女性も学校に通え、相続権も保障された。世界銀行は10年に「ビジネス環境を最も改善させた国」と発表した。強権的な政権に欧米から批判もあるが「ルワンダの奇跡」といわれるまでになった。

衝撃波は周辺国に広がる。西アフリカのセネガルではクオータ制導入後初の昨年7月の総選挙で女性議員比率が42.7%に達した。

10~11年に中東などで起きた民主化運動「アラブの春」も追い風になった。サウジアラビアで今年1月、議会に当たる「諮問評議会」議員に初の女性を任命した。車の運転を男性に限る制度に反発も強まる。

政権崩壊後のエジプトでは、平等な機会を求める女性のデモが頻発した。今秋の議会選挙に向け、政党創設を準備する女性たちもいる。

閉ざされていた領域を女性が次々切り開いていく。すでに広く開かれてきた米国では、最後の禁制領域も消えようとしている。

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