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「完璧」な女性像捨てよ 米バーナード・カレッジ学長

デボラ・スパー氏インタビュー

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NIKKEI STYLE

働く女性が増加している米国でもトップの地位に就く数はまだ少ない。今秋、女性が直面する「過剰な期待」の弊害を指摘した新著「ワンダーウーマン―性、パワー、完璧の追求(Wonder Women: Sex, Power, and the Quest for Perfection)」を出版する米コロンビア大学付属バーナード・カレッジのデボラ・スパー学長にその背景を聞いた。

――新著の主題はどのような内容でしょう。

「この50年で、女性は女性が期待したほどの進歩を遂げていません。米国のあらゆる分野を見ても、トップの地位に占める女性の割合は14~20%にすぎません。その理由を職場だけでなく女性の人生全体から探ってみました。最大の問題は、女性は男性よりはるかに高い『期待』に直面するということです」

「今日の女性はキャリアウーマンとして成功し、よき妻・母であり、さらにずっと美しくセクシーであり続けなくてはならないと感じています。そのことに押しつぶされそうになっているのです。一方で男性はこうした期待をうまく取捨選択しています。フェミニズム以降、女性の人生は期待の『呪術』によって楽になるどころか、より複雑で困難になっているといえます」

「有力なビジネスマン、例えばジェームズ・ダイモン(JPモルガン・チェース会長)やスティーブ・ジョブズ(アップル創業者)の業績を語る場合、我々は子育てや地域への貢献などを問うことはありません」

「しかし、乳児を育てながら会社の建て直しに取り組んでいるマリッサ・メイヤー・ヤフー最高経営責任者(CEO)がテレワークを禁止すれば非難します。会社再建と職場環境の改善を同時に期待するのは全く現実的ではありません。ダイモン氏が社員の家族に配慮した方針を打ち出しているかを問題にする声はないのです」

「フェイスブックのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)の著書も『一部のエリート女性しか対象にしていない』と批判を浴びました。彼女が全ての答えを示していないのは事実ですが、著書が注目を集め、女性のトップが少ないことに関する議論を促したのは素晴らしいではありませんか」

――女性が高い期待に直面するのはなぜですか。

「一因が『完璧』な女性像を描きがちなメディアにあるのは明らかです。しかし女性自身が高い期待を自分たちに課している面もあります。女性は自分にも他の女性に対しても、1つの分野での成功に焦点を当てるべきでしょう」

「また互いを批判したり比較したりするのは、トップの地位に女性が少ない現実を反映しています。女性のリーダーが少ないからターゲットになるのです。女性の数が増え、存在が普通になれば、常に『女性としての立場』を代表するプレッシャーを感じることなく自分自身を主張できるようになるでしょう。誰もが強制されることなく自分にあった選択をできるようになるのが理想ではないでしょうか」

――メイヤー、サンドバーグ両氏のような存在が完璧を求める「スーパーウーマン信仰」をあおっている面もないでしょうか。

「私も子供が3人おり、多忙な仕事をしています。意図せずに若い世代に対して期待値を上げているのではないかと自問することがあります」

「何も引き換えにすることなく高い地位に就いた女性はいないはずで、私も含め、ある地位に就くことができた女性たちが『引き換えにしてきたこと』を率直に語るべきだと思います。そうすることで、若い女性たちに、より現実的なキャリア追求の道筋を示すことができます」

――女性が「全てを手に入れる」のは無理なのでしょうか。

「女性は何でもできるようになりましたが、全てを実現することはできません。責任を伴うキャリアと家庭を両立するには、他のものをあきらめなくてはなりません。無職か融通の利く仕事を持つ配偶者や、身近に助けてくれる近親者も必要でしょう」

「女性は子供を産むという点で男性とは生理的な差異があります。多くの場合、男性が子育てを分担したがらないのではなく、女性がどうしても自分でやりたいと思ってしまうのです。あるレズビアンのカップルは完全に平等な役割分担ができると考えていましたが、実際には子供を産んだ方が仕事を辞めました。つまりジェンダーだけでなく、生理的な問題といえます。こうした相違を踏まえた家事の分業も重要ではないでしょうか」

――女性リーダーは増えますか。

「女性トップが増えるのには時間が掛かります。金融など業界によっては完全に平等になることはないかもしれません。トップにつながる『パイプライン』をできるだけ構築することが重要です」

「男性も女性幹部を増やしたいと考えています。働く妻を持ち、または自分の娘の将来のためによりよい環境を築きたいと思う男性が増えたことが1つの理由でしょう。ジェンダーに限らず人種や宗教、経済社会的立場などの多様性が企業に多様な見方をもたらし、意思決定によい影響を与えるという事実が認識されてきたことも背景にあります」

「進歩のペースは遅いけれども、今の勢いを継続することが重要です。次の世代が必要な手段と自信を持ち、また我々の世代よりも『引き換えにしなくてはならないもの』についての現実的な見方ができるように支援すべきです」

(聞き手はワシントン支局 芦塚智子)

 デボラ・スパー氏 ハーバード大で博士号を取得し、同大ビジネス・スクール教授を経て2008年から現職。ゴールドマン・サックスの取締役も務める。「ベビー・ビジネス」など著書多数。建築家の夫との間に3人の子供がいる。

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