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ベトナムにひきつけられる日本人女性 自由さが魅力

Wの未来

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NIKKEI STYLE

今、ベトナムで多くの日本人女性が働き始めている。彼女たちをひきつけるベトナムの磁力とは何なのだろうか――。

「今思えば無謀だった」。ベトナムの首都ハノイ市で旅行会社社員として働く執行(じっこう)なつみさん(24)はそう笑う。2012年4月、大学を卒業後すぐに、縁もゆかりもなかったベトナムへと飛び込んだ。

大学では言語学を専攻。将来は客室乗務員になる夢を抱いていた。就職活動で外資系航空会社を30社近く受けたが、内定はもらえなかった。「フリーターになって再挑戦するか、諦めて他業界で就職するか」。答えが出ずに悩んでいた大学4年生の冬。ベトナムで企業を経営する日本人男性と日本で話す機会があった。

急速に発展する町並み。道路にあふれるバイク。チャンスに満ちた発展途上の経済。そんな話を聞くにうちに、新興国ベトナムに夢中になった。「これだ」。インターネットでベトナムのことを調べ、この国で働こうと決めた。渡航経験はなく、知人もいない。そんな無謀な挑戦に周囲は猛反対したが、本人は意に介さなかった。「もちろん不安はあった。でもワクワク感の方が強かった」

ただ、当初は苦労の連続だった。最初に働いた企業の給与は月500ドル(約4万9000円)。紹介されたアパートは雨漏りし、床に2~3センチの水がたまった。残業続きで休日は週1日。体力的につらく、5カ月ほどで辞めた。2社目も1カ月で退社。当時は「日本に帰ろうと何度も思った」。

3社目に今の旅行会社と出会い、働き始めて1年。ようやく仕事に没頭できる環境を手に入れた。営業職として、現地進出する日系企業関係者に旅行や出張手配を提案して回る。仕事も覚え、得意先も増えた。かつて週1~2回かけていた親への電話も、最近はめったにしない。「もっと仕事を覚えたい。あと数年はここで頑張る」と執行さんは決意を新たにしている。

海外で働く経験は、彼女たちの気持ちにも変化をもたらす。

ベトナムで4月から働き始めた望月綾さん(24)は「ものに対する執着がなくなった」と言う。現地で貧しくてもたくましく、楽しそうに生きる人々を見てお金の使い方が変わった。ベトナムに来てから服やアクセサリーはめったに買わない。「日本にいる新卒の友人よりも貯金できている」と望月さんは笑う。

営業という仕事柄、毎日のように違う人と出会う。交換した名刺は半年で300枚を超えた。休みの日は市場で買い物をしたり、昔ボランティアで出会った子どもたちのところに遊びに行ったり。「たくさんの出会いを通じて『やりたいこと』がまた増えてきた」と望月さんは実感する。

8月下旬、ハノイ市にあるタイ料理店に20人超の女性たちが集まり、お酒や食事を楽しんだ。手に職を持つ日本人女性による「ハノイ女子会」だ。

女子会が発足したのは2年前。「ハノイで働いている女性って何人いるんだろう」。そんな素朴な疑問から交流会を開くことが決定。メーカー、運輸、金融など様々な業種で働く女性が口コミで次々と集まった。年齢層は20~50歳代と幅広く、会員数は50人近くに増えた。

海外で働く女性を支援する「和みの会」は今月下旬、ベトナムでの就職を希望する女子学生や会社員を日本からハノイ市に招き、視察ツアーも行う予定だ。

なぜ、彼女たちはベトナムにひかれるのか。治安の良さ、周辺国より働く日本人女性が少ない、語学力がそれほど問われない、など理由は色々とある。しかし、ある女性会社員(30代)は「新興国ならではの自由な雰囲気ではないか」という。

妊娠しても女性はおなかの大きいまま出産直前まで働く。出産後は職場に幼児を連れてきても批判されたりはしない。むしろ同僚が代わる代わる子どもの面倒をみてくれる。ワークライフバランスという言葉は定着していないが、男性は定時に家に帰り、子どもの送迎など育児も分担するのが普通だ。

仕事上も規則に縛られるよりは、人間関係を大事にする。ベトナム独特のそんな緩さが、日本人女性たちには「縛られない自由さ」として映る。

社会主義国ベトナムでは国民全員に労働が義務づけられ、男女の分け隔ては少ない。米マスターカードが調査した「女性の社会進出度調査」(2013年3月)によれば、ベトナムの女性労働参加指数は90.1とアジア・太平洋14カ国・地域で最も高い。

10月初旬、公益財団法人21世紀職業財団会長の岩田喜美枝さんは国連女性機関主催のイベントに誘われ、ベトナム・ハノイ市を訪れた。目についたのは路上や小売店の店先で元気良く働くベトナム人女性の姿だった。「働き方は緩やかで、残業もない。政府内には女性を引き上げようという動きもある。ベトナム人女性は日本人女性よりも閉塞感が小さいんじゃないか」。岩田さんはそう感じたという。

日本では非正規雇用や、仕事と育児の両立など、頭の痛い問題が目白押しだ。女性たちの憂鬱が深いほど「ベトナム詣で」は続くのかもしれない。(ハノイ=伊藤学)

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