働き方・学び方

イチからわかる

「不満なら返品OK」なぜ増える?

2011/6/20

商品改良に生かす

質の良さの秘密を握っていると耳にして、百貨店や通販会社から服の保管や配送などを請け負う東京納品代行(東京都港区)に足を運んだ。「商品はすべて調べ直し、ほつれたりボタンが取れかけたりしていれば倉庫で修理します。我々や倉庫会社も品質を保つことに一役買っています」と嶋田亮司さん(40)。

「でも、お店にとって返品は不愉快じゃないの」。まだ納得しない玄輝の言葉を化粧品などを扱うファンケルに伝えると、同社の千葉康昭さん(31)が答えた「そんなことはありません。返品の際に聞いた不満を商品の改良に生かせます」。容器で手が傷ついたという苦情を生かし、形を変えたこともあったそうだ。

コンサルティング会社いろは(千葉県成田市)の竹内謙礼さん(41)がまとめてくれた。「お金を払ってでも試したいという人は、本当に商品やサービスに興味を持っています。同じお客でも情報の質が高いのです」。問題があっても、誠実に返金すれば怒りは収まり、悪い評判がブログなどに書かれる恐れも少ない。

事務所に帰ると円子が鏡の前で、通販で買った洋服を試着中。「要らないのは返そうとたくさん注文したら、全部欲しくなっちゃった」。明日香は「奥様の浪費にご注意」と報告書に書き加えた。(榎本敦)

<ケイザイのりくつ>売り上げアップへ重要な販促

家に突然来た業者に商品を買わされる。そのような買い手が冷静に判断できないまま契約を結んだ場合は、ある期間まで返品や申し込みの取り消しができる。英語で「頭を冷やす」という意味の「クーリングオフ」と名付けられた制度で、法律で定められている。目的は弱い立場の消費者を守ることだ。

だが、自分から買おうと思って店を訪れたり、通販を利用したりして手に入れた商品を気に入らないからと返すのは、対象外となる。各社は売り上げ増などにつながる重要な販売戦略と考え、自主的に返品や返金を受け付けている。

[日経プラスワン2011年6月18日付]

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