「不満なら返品OK」なぜ増える?

国内では2~3%

楽天の商店街にある服と靴の店で返品OKなのは、2年前の20店から300店以上に広がった。送料を買い手が出すのか、店が負担してくれるのかの違いはあるが、どちらも返品率は3~4%。「送料有料の店に比べ、無料の店はサイトを見て実際に買う人が3割ほど多くなります」

速く走れなければ、1カ月以内なら履いた靴を引き取るキャンペーンを行ったアディダスジャパン(東京都新宿区)にも結果を聞いた。「返品率は0.9%。これほど低いとは思ってもみませんでした」

日本通信販売協会(同中央区)によれば国内の通販の返品率は2~3%。「これならお店の負担は少ないわね」。うなずく明日香は返品OKの靴のネット通販「LOCONDO.jp」を手掛ける秋里英寿さん(31)にも尋ねた。「日本が特別少ないんですよ。米国は何足か注文し、気に入ったものだけ買って後は返すという人が多いんです」

欧米の企業では返品率が2~3割に上る企業も珍しくない。経済産業省の調査では、日本人はネット通販などでトラブルにあっても「誰にも相談しない・訴えない」人が39%。米国は14%、韓国は9.5%だ。

流通業の評論家、金子哲雄さん(40)は「自分の意見を主張するより、周囲と良い関係を保ちたいと思う傾向が日本人は強いと言われます。あえて返さないのもそのためでしょう」とみる。この意識は東日本大震災でも異なる形で発揮された。モノ不足の中でもスーパーなどで整然と行列を作ったことだ。「商品の質がよいことも、返品率が低くすむ理由のひとつです」