「不満なら返品OK」なぜ増える?

通信販売のインターネットサイトを見ていた所長夫人の円子が探偵の深津明日香に話しかけた。「商品が不満なら返品できるところが増えたわ」。「通販以外でもできる店があります。なぜでしょう」。明日香は小学生の国本玄輝と調査に出た。

返品や相談受け付けの際に寄せられる不満を商品開発に生かす(ファンケルのコールセンター、横浜市)

2人は衣料品やアクセサリーの通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイを訪ねた。不良品や送り間違いでなくても使っていなければ、4月から返品を受け付けるようにしたと聞いたからだ。

応対してくれた大蔵峰樹さん(34)は「試着できなくて不安という人にも、買ってもらうためです」と狙いを説明した。同社のアンケート調査では「返品ができればもっと買いたい」と答えた人が9割に上っていた。「利用しやすくなったと好評です」

レンタル店の「TSUTAYA」は、お薦めDVDが面白くなければ返金するサービスを期間限定で行った。「お薦めなうえお金も返すとなれば、お客は気軽に借りられます」と運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ。調べると、不満なら返品・返金OKの店が続々と出てきた。

ネット通販に有効

増える理由を会社の経営に詳しい慶応大学教授の中島隆信さん(50)に問い合わせると、「返せると聞けば、買い手は安心して商品に手を伸ばせます。企業も売り上げが伸びますよ」と解説してくれた。お金を損するかもという怖さを取り除くわけだ。とりわけ商品の手触りなどが分からないネット通販に有効だという。「うまい心理作戦ね」。明日香は感心した。

「でも、たくさん返品されたらお店は大変じゃないの」。玄輝の質問に戸惑う明日香は、ネット上で商店街を切り盛りする楽天に向かった。「戻ってくる比率はそれほど高くありません。売り上げが増えることで十分賄えます」。同社の江川嗣政さん(34)が教えてくれた。