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朝・夕刊の「W」

男女差なく勝負の道を プロ棋士目指す西山朋佳さん Wの未来 しなやかに駆ける

2014/2/23

「男の勝負の世界」というイメージが強かった将棋界で、女性の躍進が目立つ。大阪の高校3年生、西山朋佳さん(18)はプロ棋士の養成機関である奨励会に入り、今年1月には女性で史上2人目となる初段に昇段した。女性だけの女流棋士という制度もある中、男女分け隔て無く競う道を選んだ西山さんに、奨励会に入った経緯や将来の目標などを聞いた。

――将棋を始めたきっかけは?

将棋の初段に昇段した西山朋佳さん(大阪市福島区の関西将棋会館)

「父と3歳上の姉が将棋をやっていた影響で、小学1年生から始めました。ルールを覚えてからは、家族と指すよりインターネットでの練習が中心になりましたね。地元の将棋教室にも週3回ほど、親に付き添ってもらって通いました。私が将棋をやるようになってからは、父だけでなく母も熱心に応援してくれました。負けると、私以上に親が悔しがって、『親が怖いから負けられない』という雰囲気もありました」

――小さい頃から男性と一緒に将棋をしてきました。

「女流の大会もありましたが、やはり男性相手が多かったです。ネットの対戦相手もほとんどが男性でしたし、将棋連盟の道場にも男性と通っていました。でも、私は本当にやんちゃな子でしたから、壁は全然感じませんでした。将棋をやるうえで、女性だから損したり、得したりといったことはありません。実力主義のシンプルな世界ですから。誰と指しても負ければ悔しいし、勝つとうれしい。大会で優勝するなど、勝つうれしさがあるから将棋を続けられたんだと思います」

――14歳で奨励会に入りました。

「もともとは奨励会に入ろうとは考えていなかったんです。たまたま、中学2年の時に自分の力を試すために(奨励会の下部組織にあたる)研修会の試験を受けたところ、8連勝と想像以上に良い結果が出ました。それで、やれるところまでやってみようと奨励会入りを決めました。奨励会入りに関しては、母親が『入り、入り』という風に積極的に後押ししてくれました。父親の方は奨励会のシステムが難しくて、よく分かっていなかったみたいです。女流棋士にならずに、奨励会1本でプロを目指しているのは、男性と真剣に将棋を指してもらえる場所は奨励会しかないと思ったからです」

――四段でプロになれますが、女性のプロ棋士はまだいません。

「競技人口が少ないからでしょうか。女流という道もありますし」

――今後の目標は。

「将棋以外のことも勉強したいと思って、春から慶応大学に進みます。関東で一人暮らしを始めるため、奨励会も関西から関東に移ります。関西の大学ではなく、自分の意志で慶応進学を決めました。将棋界の人には『両立は大丈夫?』と心配されることが多いですが、何とかやって行けたらと考えています。基本的には気楽に生きているので。高校では奨励会の用事がある日は公欠にしてもらえるなど、将棋に集中できましたが、将棋ばかりしていたわけではありません。友達とカラオケに行ったり、ごはんを食べに行ったりと、定期的に息抜きをしていました。今回の昇段も友達がすごく喜んでくれて。周りの応援が一番の励みです」

「将棋では、まずは奨励会の二段に上がることですね。将来的には、将棋をしている女の子が、私みたいになりたい、と思ってくれるとうれしいです。そうなれば女性の将棋人口も増えると思います」

(聞き手は田中裕介)

西山朋佳氏(にしやま・ともか) 大阪府出身。小学生から将棋を始め、伊藤博文六段に師事。14歳で奨励会に入会。今年1月に女性で史上2人目の初段に昇段した。現在、高校3年生。18歳。

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