将棋とブーケトス 新世代、飾らぬ平等観Wの未来 しなやかに駆ける

昨年のクリスマスイブ。都内の大学に通う佐藤友里(仮名、22)は、彼氏が料理した牛肉の煮込みやサラダで2人きりの食事を楽しんだ。自分は材料費を負担し、買い物は彼氏がした。

デート仕切る

将棋の初段に昇段した西山さん(大阪市福島区の関西将棋会館)

佐藤はいつもデート費用を多めに出す。2000円の外食なら彼氏からもらうのは500円という具合。ともに学生で同い年だが「私はバイトしてお金があるから当然」。旅行の手配や店を予約してデートを仕切るのも佐藤だ。

プロ棋士の養成機関である奨励会で真剣勝負する高校生の西山朋佳(18)。奨励会での競争は激しく、四段でプロになるが、女性のプロはまだいない。西山は今年1月、初段に昇段した。「女性で史上2人目」と騒がれたが「誰と指しても負ければ悔しいし勝つとうれしい」と屈託ない。

奨励会にいる約150人の会員のうち現在在籍する女性は6人と過去最多だ。

「男の勝負の世界」の「裾野が広がり、若い世代を中心に女性ファンが増えた」(日本将棋連盟)こともある。総務省の社会生活基本調査によると2011年の女性の愛好者は約56万人と、5年で3万人以上増えた。男性が同時期に52万人減ったのとは対照的だ。

最近結婚式で増えているのが、ブーケトスならぬ「ブロッコリートス」。花嫁が花束を投げる代わりに花婿がブロッコリーを投げて男性の友人らがキャッチする。ブロッコリーは子孫繁栄を象徴するという。

結婚情報誌「ゼクシィ」首都圏版編集長の松本依子(32)は「00年代後半から結婚式に積極的な『イケ婿』が増え、花嫁だけが脚光を浴びるイベントではなくなった」と話す。

従来の男性像や女性像にこだわらない若い世代。日本性教育協会が11年に実施した調査で「男性は女性をリードするべきだ」と答えた高校生は男性が61%、女性が72%で、05年の調査に比べてそれぞれ10ポイント、5ポイント低下した。

経済産業省の統計によると、男性用スキンケア化粧品の13年の出荷額は220億円で、10年で約82%伸びた。百貨店の化粧品売り場では15年前にはほとんどいなかった男性美容部員も目につく。米ブランド、ボビイ・ブラウンの中核店舗では2~3人の男性美容部員が働く。

男性も家事資格

家事の知識や技術などを試す、NPO法人ハウスキーピング協会(東京・渋谷)認定の資格「整理収納アドバイザー」は最近、男性の有資格者が増えている。

その一人、坂場寛史(34)は「昔から掃除や片付けが好き。自分にぴったりだと確信した」。2年前、勤めていた商社を辞めてアドバイザーとして独立。「好きなことで仕事をする喜びを感じている」という。

男女雇用機会均等法施行の年に生まれた子は今年28歳になり、中学・高校で男子も家庭科が必修になった世代は30代半ば。そんな新たな環境が、男女を隔てる壁を感じさせない世代を育んだのかもしれない。無意識ゆえの不安定さもあるが、若い世代の変化は、性別にこだわらず自由に才能を開花させるチャンスになる。(敬称略)