仕事も家庭も 福井の働く女性事情に学ぶWの未来 やればできる

女性管理職を育成する県の勉強会「未来きらりプログラム」で意見を交わす参加者(福井市)

福井県は文部科学省が実施する全国学力テストの結果も常にトップレベルにある。その背景を、ある母親は「子供の塾や習い事にお金を費やしたいから仕事をやめられないというお母さんは多いよ」と教えてくれた。

福井県立大学地域経済研究所の南保勝教授は「ここには『古き良き日本』の家族制度が残っている。社会の仕組みが女性に仕事を持つよう誘発し、M字カーブも緩やかになる」とみる。ただ「3世代が同居するとなれば、若者が年寄りを立てたり、お互いに我慢したり、いろいろと大変ですよ」と苦笑い。「都会の人も経済性や自己実現を求めるだけでなく、共同体のなかで義務や役割を負うという意識を持てば『東京が福井になる』可能性もあるかもしれない」と皮肉る。

家事の負担、女性にしわ寄せも

「働いていないと周りから遊んでいるとみられる」。福井県における女性労働の実態を調査した埼玉大学経済学部の金井郁准教授は、調査を通じて多くの女性からこんな声を聞いた。「専業主婦でいると福井では生きにくいという文化があるから働く女性が多いのでは」と分析する。一方で、福井県の男性の家事負担割合は全国的に見ても低く、女性に家事のしわ寄せがきているのも事実。金井さんは「男女の役割分業を超えて、女性がさらに働きやすい基盤を作れるかどうかが今後の福井県を左右する」と警鐘を鳴らす。

「福井の女性は忍耐強い」。育休中、こんな言葉を何度か聞いた。仕事に家庭にと頑張る女性に苦労もあるだろうが、当の女性たちは「恵まれていると思う」と肯定する人が多い。私自身、母親が働くのが普通という価値観が市民権を得ている世間があることを知って心強く、「みんなで子育てする」という考え方に触れたことで子供を保育所へ預ける後ろめたさが和らいだ。

家庭と仕事。負担と喜びを家族や地域で分かち合い、経済を元気にする好循環につなげる。福井モデルが全国に示すヒントと教訓は大きい。

(松浦奈美)

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