好き・得意を仕事に 活躍の場広がる「サロネーゼ」Wの未来

2013/10/7
自宅で料理やフラワーアレンジメントなどの教室(サロン)を開く主婦、通称「サロネーゼ」。予約待ちが出るほど人気の教室がある一方、自宅での教室開催にとどまらず活躍の場を広げるサロネーゼも増えている。最近のサロネーゼ事情を追った。

予約は8年待ち

自宅で収納・家事のサロンを主宰する中村美香さん(中央)(相模原市)

予約が8年待ちの「ミセス美香」こと中村美香さん(39)が開く装飾と収納術を中心に据えた教室「ハウスキーピングサロン」。人気の秘密はどこにあるのか、引っ越しを間近に控えながらも山積みの家財を前に途方に暮れる記者が9月下旬、サロンを見学した。

サロンとなるリビングにまず圧倒された。家具はほぼ全て白とベージュ、ピンク色。収納家具は棚が1つだけ。テレビもパソコンも見あたらない。色調が統一されているため、グランドピアノが置かれているのに部屋が狭く感じられない。

この日の課題は「リビング収納法」。「子供の教科書が散らかる」「リモコンがあちこちに散乱する」など、生徒たちから日常の不満を聞き出すと、中村さんは「子供が低学年のうちだけリビング内に場所を設け、成長したら部屋に持って行くよう説得して」「リモコンは家族が認識しやすい便利な場所に全て集めて」などと一つ一つ解決策を指南する。

「自分もできるかも」

家族に片付けを促すと口論になるという悩みにも「リビングは家族がくつろぐ場所。そこでダメ出しをするとくつろぎの妨げになる。家族のせいで散らかる、と怒らず、家族の行動パターンを思いやって一番使いやすい収納場所を譲ってあげて」と返した。これには生徒たちが深くうなずき、「考えを改めなければ」と声を上げて共感していた。

収納用具はスーパーや100円ショップで手に入れたり、自作することも

座学を終え、中村さんはリビングの収納スペースを次々と開けていく。筆記具や食器など必要なものは最低限の数だけ厳選され、壁の中に設けられた収納棚に整然と置かれている。壁ぎわに置かれた暖炉調の奥に薄型テレビとゲーム機が、サイドテーブル上にある鏡の後ろにはパソコンとキーボードが隠されていた。電気コードは全て壁に沿わされ目隠しが施されて、家電の存在感を消している。

講座が一段落すると、中村さんは自ら調理したランチを生徒たちに振る舞う。「きのこご飯」や「サケの香り揚げ」などのレシピは座学のレジュメにある。テーブル上の装い方もレッスンの一環。生徒たちは歓談しながら食事を共にした後、満足げに帰路についた。

75平米の2LDKに4人で暮らす中村さんの生活は決して特別なものではない。収納用具はスーパーや100円ショップで手に入れ、気に入った物がなければ自作したという。「自分もマネできるかもしれない」と思わせる説得力があった。荷物を詰める前にまず必要な物だけを厳選するところから始めよう。決意を新たにして記者はサロンを後にした。