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ももいろクローバーZの軌跡

"プロレス"の手法を取り入れたワケ

日経エンタテインメント!

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NIKKEI STYLE

アイドル群雄割拠の時代といわれるなかで、今、一番勢いに乗っている5人組、ももいろクローバーZ。2010年のメジャーデビューからわずか2年でドーム級の会場でコンサートを開くところまで成長した。「プロレス」の手法を取り入れたライブやイベントの演出など、その活動はアイドルとしては型破りだ。

AKB48からK-POPガールズまで、様々なアイドルが競い合うなか、ひときわ注目度が高まっているのが、ももいろクローバーZ(以下、ももクロ)だ。この夏は、AKB48の東京ドームライブが話題になっているが、ももクロは西武ドームライブ(約3万人動員)を開催。ドームクラスでライブを開ける女性グループは、ほかにPerfumeらわずかだけ。その一角に、平均年齢17歳の5人が食い込んできた。

結成は2008年。メジャーデビューは2010年5月だ。そこから2年で急成長してきたが、その道のりは平たんではなかった。彼女たちは、柴咲コウや北川景子ら多くの人気女優を擁するスターダストプロモーションに所属するが、ももクロは、同社が手がける初めての本格アイドルグループ。すべてが手探りで進められてきた。

逆境をバネに一気に躍進

注目されるきっかけとなった一つが、前方転回や側転、エビ反りジャンプといったアクロバチックな動きを取り入れた全力ダンス。2010年12月には日本青年館(約1200人動員)で初のホールコンサートを行えるほどのファンをつかんだ。ところが、翌2011年4月の中野サンプラザ公演を最後に、人気メンバーの早見あかりが女優に専念するため脱退。グループ名も「ももいろクローバー」から「ももいろクローバーZ」に改められるという、いきなりの転機を迎えた。

そこからの飛躍が驚異的だった。人気で先行するAKB48(2005年結成)を追いかける、女性アイドルグループ第2集団の一つという位置づけだったのが、一気に抜け出したのだ。それは、「大人の悪ふざけ」とも言われる規格外のイベントに、ももクロのメンバーが、見えも外聞もなく挑戦するところに、多くの関心や共感を呼んだことがある。

例えば、7日間連続のトークライブ、ヘビーメタルのイベントやプロレスのリングにゲスト出演、シングル発売キャンペーンで頭にネクタイを巻いてパフォーマンス、こどもの日のイベントでザ・ドリフターズのコントに挑戦──。

こうした企画の面白さが口コミで広がり、ミュージシャンやお笑い芸人の間にも「ももクロファン」が増え、普段はアイドルを取り上げないサブカルチャー系の雑誌にも登場するようになった。

結果、「ももクロを見てみたい」という人が急増し、2012年4月に実施した横浜アリーナ2DAYSコンサートは、2万5000枚のチケットが即完売。8月5日の西武ドームライブにつながった。「日経エンタテインメント!」誌2012年3月号のインタビューでは、リーダーの百田夏菜子が、「(衣装で街を歩いていると)AKB?って声をかけられます」と笑っていたが、わずか4カ月の間に取り巻く環境は激変。大人気グループと言われるようになった。

ほかのグループと差別化するために取り入れた「プロレス」

ももクロの所属事務所、スターダストプロモーションは、主に俳優のマネジメントを行っている大手芸能事務所。CDデビューする本格アイドルグループを手がけるのは、ももいろクローバーZが初めてだった。しかし、10代の新人を育成するため、レッスンの一環としてグループを作り、ステージ活動をさせることはこれまでも続けていた。同社には「タレントを育成し、演技を学ばせるうえで、ステージに立つことほど鍛錬になることはない」という信条があるからだ。

ももクロを結成当時から手がけるスターダストの川上アキラ氏は、「2007年ごろ、AKB48の劇場公演を初めて見させていただいたとき、こんなにすごいことになっているのかと驚いた。若いタレントを育てるなかで、本格的にアイドルグループを作っていくのも面白いかもと思った」と語る。

ほかのグループと差別化を図るために取り入れたのが、「プロレス」の世界観だった。メンバーやファンを驚かせる"サプライズ"は、モーニング娘。らのハロー!プロジェクトや、AKB48でもおなじみの手法だが、ももクロの場合は、さらに一歩進めた。イベントやライブにプロレス的な「物語性」を加え、さらに、それを単発で終わらせない、次につながる仕掛けを考えたのだ。

例えば、ヘビーメタルフェス「LOUD PARK」に出演したときは、白塗りメイクをしたメンバーがステージに乱入。エイベックスのアイドルグループ東京女子流との合同イベントは、「(会場となった)横浜BLITZを、同日同時刻にダブルブッキングしてしまった」という真偽不明な理由で実施。横浜アリーナ公演では、次は西武ドームで開催することを発表し、「どんなライブになるのか」とファンの関心を高めた。

5年のロードマップを描く

ももクロがスタートしてから、川上氏は、約5年間のロードマップを描き、それを基に修正を加えながら活動してきたという。

最初の年は、レコード会社を決めて、CDデビューにこぎつけたいと考えた。そのため、雑誌へ積極的に出演し、知名度を高めた。

2年目は様々な場所でライブを行うことにした。しかし、アイドルフェスで競演したスマイレージやSKE48らのパフォーマンスに衝撃を受けて軌道修正。それまで川上氏が自らステージ演出を手がけていたが、外部の演出家に加わってもらうようにした。白羽の矢を立てたのが、バラエティーや格闘技番組を中心に活躍するディレクター、佐々木敦規氏だ。

3~4年目は、本来はテレビに出演していくことをもくろんでいた。しかし、「簡単ではなかった。むしろ、ネットで"面白い"という声が広がっていった」(川上氏)。

ももクロは、現在、結成から丸4年が過ぎた。最初の構想で言えば、そろそろ形になるころだ。

この"5年後"は、結成当時にメンバーたちにも話していたという。川上氏は「スターダストは女優や俳優中心の事務所なので、スターを生み出すには時間がかかるというのをよく分かっている。だからこそ、ここまでやらせてもらえたと思う」と語る。

目指すはクレイジーキャッツ

将来的に川上氏が目指しているのは、クレイジーキャッツやザ・ドリフターズ、SMAPのような、長期にわたって活躍できるグループに、ももクロを育てること。メンバーを入れ替えるのではなく、今の5人のままで長く活動するイメージだ。女性アイドルグループは、卒業・新加入で新陳代謝していくのが主流。そういう女性グループがほとんど存在しないことから、かつてない試みといえる。

「タレントは、自分自身が明確なビジョンを持って、セルフプロデュースができないと生き残れない」(川上氏)。そのため、ライブだけでなく、メンバーがもともと目指していた役者や、トークのスキルを磨くチャンスを与えて、新たなアイドル像に挑んでいく。

今年は、メンバーが目標に掲げる「紅白歌合戦」出場も視野に入ってきた。「『紅白歌合戦』に出場したら一区切りと言われますが、もし実現したとしても、その先が楽しみなんです」(川上氏)。ももクロの成長物語はまだまだ終わりそうにない。

【証言】 佐々木敦規氏/コンサート・番組演出 担当

素のキャラクターを引き出したい

 「追いつめられた状況に置かれると、一番リアルなものが出てきて、見ている人の心をつかむ」(川上氏)という考え方から、ももいろクローバーZのライブは、"サプライズ"を盛り込んだ、プロレス的演出手法を取っている。手がけているのは、「とんねるずのみなさんのおかげでした」「IPPONグランプリ」などのバラエティーや、格闘技「K-1」の番組などを演出してきた佐々木敦規氏だ。

ももいろクローバーZのマネジャーの川上アキラさんとは、お互いプロレス好きという共通項もあって、私がバラエティーなどでやっていた、プロレス的なアングルを取り入れた演出に共感していただいて。「テレビのような、トータルエンタテインメントショーを作りたい」と2010年から一緒にやっています。

そのためメンバーには、コンサートだけでなく、テレ朝動画の「ももクロChan」を通じて、バラエティー番組の手法を学ばせてきました。素のキャラクターを引き出したいので、笑われること、つっこむことが大事だということや、トークで人の話をどう聞けばいいのかなども教えています。

2011年4月の「試練の七番勝負」では、毎日異なるゲストと90分のトークをしてもらいましたが、毎日、終わってから30分くらい反省会をしました。「あそこの返しは、次につながらない」「なぜあそこでお客さんが引いたのか」──。イベントに参加してくれた南海キャンディーズの山里亮太さんにもオブザーバーとして加わってもらい、ディスカッションしました。

プロレス的な手法を取り入れていくと、物語性が生まれて、各コンサートやイベントが、線として結ばれるんです。横浜アリーナのコンサートで、「次は西武ドームで開催」と発表されれば、どうなっていくんだろうかと、ファンは次のライブが楽しみになる。

これまでも、中野サンプラザで覆面をしたままで歌ったり、よみうりランドの野外ライブでは"戦隊ショー"から始まったり、ファンがあまり予想しないようなことを、意識的に入れ込んだ演出をしてきました。それは、まだ関心がない人に、振り向いてほしいから。昔からのコアなファンには、「余計な演出」だと思われているかもしれませんが(笑)。でも、興味さえ持ってもらえれば、実力があるグループなので、好きにさせる自信はあるんです。

先日の横浜アリーナのコンサートは、1日目は松崎しげるさんやザ・ワイルドワンズさんといった多彩なゲストとコラボして、2日目は一転して、ももクロだけを見てもらう構成にしました。ファンはストレートなライブの2日目がいいと思うだろうけど、1日目の世界観も含めて、ももいろクローバーZだと私は思っています。

(ライター 高倉文紀)

[日経エンタテインメント!2012年7月号の記事を基に再構成]

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