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ヒットの鍵は「家族」「絆」、2011年テレビ番組ランキング

日経エンタテインメント!

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NIKKEI STYLE

『日経エンタテインメント!』では2011年に放映されたドラマ、バラエティーのヒット番組を総点検。ドラマでは「家族」や「絆」がヒットのキーワードに。やはり東日本大震災の影響がみられたようだ。バラエティは平均15%以上の番組が激減。静かな1年を物語る結果になった。2011年のテレビドラマ、バラエティー事情を『日経エンタテインメント!』誌で、テレビ番組を"銘柄"、その視聴率を"株価"に見立てて、テレビのトレンドを語る座談会形式のコラム『テレビ証券』の参加メンバー」3人が語った。(文中の視聴率データは2011年1月1日~11月20日で算出)

テレビ証券:座談会登場人物プロフィール
指南役(ディーラー) 「テレビ証券」を主宰する謎の人物。経歴・年齢不詳。テレビ界の裏情報に精通し、毎月1度のテレビ座談を取り仕切る。

草場滋(トレーダー) 作家・メディアプランナー。44歳。「企画千里眼」の異名を持ち、主にバラエティ株の運用を得意とする。尊敬する人物は高田純次。

津田真一(トレーダー) 某新聞社に勤務。44歳。「青田の貴公子」の異名を持ち、深夜銘柄や新規銘柄の運用を得意とする。海外銘柄の動きにも詳しい。

小田朋隆(トレーダー) 僧侶。44歳。仏門に身を置く一方、俗世界のリサーチと称してテレビ研究。「ドラマ王」の異名を持ち、連ドラの底値を見抜く。

指南役連ドラ年間ランキングは、2010年の『相棒』をかわし、『家政婦のミタ』『JIN-仁-』完結編が並んでトップです。

小田 まず『JIN』については、放送前から期待値の高かった銘柄ですが、平均20%を超えたのは、震災直後の4月クールという点も影響したと思いますね。

ヒット作に共通するのは「家族」

津田 2011年のテレビ界を振り返る上で避けては通れないのが、やはり3.11。震災以前と以降で、テレビ界は一変したと言わざるを得ないからね。

草場 震災以降、テレビは「なぜ、それを今、放送するのか?」といった視点も求められるようになった。連ドラは特に。

津田 正直、『相棒』が震災直後に放送されていたら、ここまで数字が取れたのかは疑問。

小田 一方、『JIN』は「人の命を救う」というベースがあったから、震災後の空気感と合致して、視聴者にすんなり受け入れられたんだと思う。

津田 同じく、震災後の空気感と合致したのが、『JIN』の裏の『マルモのおきて』。前評判ではほとんど期待されてなかったけど、初回11.6%から、みるみる評判を上げ、最終回が23.9%。

草場 あのドラマ、マルモと血のつながらない子どもたちの"擬似家族"の「家族愛」を描いていたけど、それって、被災地における震災孤児を支える地域コミュニティーと同じ構図。

津田 断っておくけど、『マルモ』が企画されたのは震災前。変な話、震災がなければ、ここまで話題にならなかったかと。

小田 それは、首都圏と関西の視聴率の温度差にも表れたね。震災直後、『マルモ』が首都圏で数字を伸ばしたのに対し、関西ではそれほど伸びなかった。反対に、関東では8.7%と惨敗したフジの『グッドライフ』が、関西では、クール3位と大健闘。

草場 震災の被害を直接受けた東日本では、死と背中合わせの親子といった『グッドライフ』みたいな重いテーマのドラマが一時的に避けられたんだと思う。東西でここまで連ドラの好みに差が開いたのは前代未聞。

完全地デジ化も数字に影響?

指南役 しかし、『JIN』や『マルモ』は例外中の例外でしたね。大半のドラマは震災以降、視聴率で大苦戦。7月クールも、8位の『新・警視庁捜査一課9係』を除けば、軒並み10%そこそこにとどまった。

小田 7月24日の完全地デジ化もあって、連ドラはもとより、テレビというメディアから人々が離れつつあった感は否めませんね。

津田 8月にはフジテレビに対して「韓流番組への偏重が過ぎる」と、デモも起きたからね。まぁ、嫌韓というより、テレビというメディアに人々の不満が爆発した一端だったと思う。

草場 そういうのがたまりにたまって、連ドラ離れが深刻化したのかもね。ところが、10月クールになると一転、平均15%超えのドラマが並ぶ大豊作。

小田 連ドラの企画が固まるのは大体半年前だから、まさに震災直後の空気を読んで作られたドラマが10月クールに出てきた…という構図だと思う。

指南役 年間でもベストテンの中に、10月クールの作品が5本もランクインしていますね。

津田 同率首位の『家政婦のミタ』が、その象徴でしょう。ミステリアスな家政婦を通して、要はバラバラになった家族が再生する話。カギは「家族」。

草場 松嶋菜々子の怪演ばかりが話題になるけど、実は長谷川博己演ずるダメダメな父親のリアリティー感も半端ないんだよね。見た目以上に奥深い作品。

津田 それは視聴率が証明している。初回19.5%から右肩上がりで、6話では23.4%。

小田 6位に入った『妖怪人間ベム』が、元のアニメ版と異なり、より「家族」を意識した作りになったのも、同じ構図だろうね。

草場 一方、『南極大陸』が思ったほど伸びなかったのは、テーマが骨太すぎて、視聴者の意識がまだそういうのを受け入れるまで、回復してないからだと思う。

津田 今はもっと身近な人間ドラマを見たいんだよね。ただ、これは数年前から「TBS60周年企画」として進めてきただけに、このタイミングは仕方ない(笑)。

指南役 4位は大河ドラマの『江』です。2009年まで年間トップが定位置だった大河も、10年は2位に落ち、11年はさらに…。

小田 まぁ、これは単純に作品のクオリティーを反映しての結果でしょう。あまりにリアリティーからかけ離れた描写が過ぎました。いくらなんでも上野樹里が9歳の江を演じるのは無理があったし、小娘が信長や家康と議論するのは、もはやコントの域(笑)。

草場 『篤姫』で築いた脚本家・田渕久美子バブルも崩壊……。

平均15%以上は4分の1に激減

指南役続いてはバラエティ編です。1位は、2010年に続いて『行列のできる法律相談所』。MCの島田紳助サンの芸能界引退という逆風を乗り越えての快挙です。

津田 まぁ、紳助サン的には複雑な気持ちかと。自分がいなくても視聴率にほとんど影響が…(笑)。

草場 紳助銘柄は、明暗が分かれたね。『行列』『鑑定団』『深イイ話』あたりは、MCが変わってもさして影響ないのに対し、『ヘキサゴン2』はとうとう打ち切り。

小田 もともと賞味期限がささやかれていたからね。09年の3位から2010年20位、そして11年は31位…これは仕方ない。

津田 それにしても、日テレが上位4番組を独占するなど、安定感バツグン。かつての4冠王時代の勢いを取り戻しつつある。

草場 対してフジは、11年下半期の落ち込みが心配。これは7月の完全地デジ化以降、画面でフジのチャンネルが民放の一番端に追いやられたのと無縁じゃない気がする。

小田 その影響は、朝と昼の帯番組にも表れている。『めざましテレビ』『笑っていいとも!』がシェアを落とし、朝に関しては日テレの『ZIP!』が徐々に上げてきている。

津田朝の番組は、前夜に合わせていたチャンネルも影響してくるからね。これまでテレ朝の牙城だった深夜帯に、日テレが新番組の『世紀の和解SHOW』『5MEN旅』で食い込んできている点も大きいかと。

後継の看板番組が乏しいフジ

小田 一方、フジは深夜帯の苦戦が影響してか、バラエティの後継番組がなかなか育っていないのが現状。7位の『ホンマでっか!?TV』を除けば、若い番組で有望株なのが見当たらない。

草場 というより、3.11以降、バラエティ全体が低落傾向にあると言っていいかもね。未曾有の大震災を経て、バラエティはその存在意義自体が問われている。

指南役 このランキングの視聴率も、10年に比べ、平均15%以上は4分の1に激減しています。

津田 特に、お笑い芸人関係が大打撃ですね。ネタ見せ番組は2010年終焉(しゅうえん)を迎えていたとはいえ、震災で新しい芽が摘まれ、後継が育っていません。

草場 今や、純粋に「お笑い」の切り口での番組は厳しいからね。松本人志サンがNHKで始めた『松本人志のコント MHK』がレギュラー化の初回、2.3%だったのも、その一端かと。震災以降、ストレートな笑いがお茶の間に届きにくくなっている。

小田 これは2010年あたりからの傾向だけど、バラエティといいつつ、お役立ち番組が増えているからね。2010年は池上彰サンがブレイクしたけど、2011年は工場見学系の番組が一気に拡大。

津田 『シルシルミシル』『潜入!リアルスコープ』『地球の最先端をスクープ!SCOOPER』…。

草場 ただ、バカリズムのナレーションも含め、本当に分かってやっているのは、先駆者の『シルシル~』だけだと思う。企業宣伝を番組内でやることは、ともすれば放送法に抵触する恐れがある。それを払拭するには、ちゃんと落とさないといけない。バカリズムはそれができている。

小田 まあ、視聴率がそれを証明しているね。『シルシル~』は平日版と『さんデー』2つとも1年前より順位を上げている。

津田 惜しくも平日版はこの秋終わってしまったけど、後継番組が、『マツコ&有吉の怒り新党』

指南役 初回10.8%でしたね。その後も安定して2ケタで推移しているので、2012年は確実にランクインしてくるでしょう。

草場 今、民放で一番面白い番組だと思いますね。時代は「お笑い」から「怒り」へとシフト(笑)。

津田 あと、岡村の復活もあってか、ナイナイ銘柄が戻してきたね。『ぐるぐるナインティナイン』は、2010年12位から3位へと急上昇。岡村がいるといないとで、こうも違うのか。

小田 『めちゃイケ』も20位へ再上昇。フジに関しては、『とんねるずのみなさんのおかげでした』も10位に戻すなど、ベテラン勢が比較的好調だった。

草場 非常時には、やはりベテラン勢が安心して見られるということだろうね。

指南役 タレント別では、3番組をランクインさせた嵐が順位を上げるなど、健闘が光ります。

津田 CDセールスのライバル、AKB48がテレビではいまひとつふるわないのに対し、嵐はグングンと力をつけてきましたね。

草場 震災以降の「癒やし」を求める風潮のなか、本当に仲のいい彼らは見ていて疲れない(笑)。

小田 『アメトーーク!』もそうだけど、今は画面から仲の良さが伝わってくる番組が支持されている。誰かを落として笑いをとるような番組は、もはや共感を得られにくいんだと思う。

津田 足の引っ張り合いより、傷の舐め合いか(笑)。

(日経エンタテインメント!編集部)

[日経エンタテインメント!2012年1月号の記事を基に再構成]

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