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主力級が続々脱退 女子アイドル卒業名簿2014

日経エンタテインメント!

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女子アイドルにはつきもののグループからの卒業。この春も多くのアイドルが新しい一歩を踏み出す。人気メンバーの卒業は本人だけでなくグループにも大きな影響を与える。特に今年は人気メンバーの卒業が目立つ。

相次ぐ中心メンバーの卒業

「私、大島優子はAKB48を卒業します」。2013年の大みそかに放送された『第64回NHK紅白歌合戦』のAKB48の出演時間中に発表された、大島優子の卒業宣言は、大きなニュースとなった。

現在の女性アイドルは、自らの育つ過程を見せて、ファンの共感を得るのが一般的。アイドルとしての活動を経て成長し、次のステップに進むべき時がくれば、卒業という形でグループから抜けることが通例となっている。

2014年に入って、大島以外にも、近年のアイドルブームを支えてきたグループから、中心メンバーの卒業が相次いでいる。2006年から活動しているアイドリング!!!からは、2014年2月14日にリーダーの遠藤舞が卒業。2010年に結成されたSUPER☆GiRLSからは、同じくリーダーの八坂沙織が同年2月23日にグループを旅立った。

遠藤はシンガー、八坂はミュージカルとそれぞれ新たな目標に向かって一歩を踏み出したが、一方で、グループ卒業と同時に芸能界を離れるアイドルも少なくない。この春も多くのアイドルが、別の目標に向かう決断をした。学生と両立しているアイドルは、春になると学校の友人などが進路のことを話題にするため、自然と自らの今後について考えることになる。この時期にアイドルの卒業者が増えるのは、そのためだろう。

ファンが去っていくきっかけにも

人気メンバーの卒業はグループにとっても大きなイベントのため、盛大な卒業コンサートなどが開催される。遠藤も八坂も、卒業ライブが執り行われた。大島も、2014年3月29日と30日の国立競技場でのライブが「大島優子 感謝祭」として開催されることが発表されていた。しかし、残念ながら30日は悪天候のためライブが中止となり、卒業セレモニーは延期となってしまった。

一方で残されたグループは、人気メンバーが去ることで少なからぬダメージを受ける。

「メンバーの卒業は、ファンが離れる一番のきっかけ」とあるグループアイドルのマネジメント担当者は指摘する。特に近年は、握手会やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを通じて、グループよりも個人にファンが付きやすい。そのため、目当てのアイドルの卒業と同時に、グループの応援もやめてしまうわけだ。

卒業ライブ前に新人のお披露目でファンをつなぎ留める

そうした抜けていくファンの数を減らし、グループ自体のファンになってもらおうと、アイドル陣営は様々な手を打つ。卒業と同じく、新規メンバー加入を半ば制度化しているグループが多いのもそのためだ。

常に新陳代謝がある48グループに加え、今春はメジャーデビュー以降、人員追加がなかった私立恵比寿中学やSUPER☆GiRLSも初めて新メンバーを迎える。

両者とも、卒業ライブの前に新メンバーをファンにお披露目し、卒業のイベント感と新人への期待感を上手に混ぜ合わせて、盛り上がりを作ることに成功している。新人が加わることで、グループ全体にフレッシュなイメージが戻り、新たなファンの獲得も期待できる。人気メンバーの卒業をどう活用するかが、グループアイドルの人気持続の鍵を握るといえる。

三谷演劇からプリキュアまでアイドル卒業生は意外と健闘中

アイドルは「グループのときは人気でも、卒業するとパッとしなくなる」と語られることが多い。ただ、グループとして成長してつかんだ華やかな舞台と、すべてを捨てて独りで新たに歩き始めたばかりの状態とを比べるのは酷な面があるのも確か。特にグループで中心的な活躍をしていたメンバーほど、そのギャップが目立ってしまうのかもしれない。

それでも、地に足を着けて活動し、徐々に活躍の場を広げている元アイドルは少なくない。グループアイドル時代にはそれほど目立ったメンバーではなかったものの、ソロになって才能が開花した例もある。

グループを卒業して女優を目指す際、最初の一歩としてよく選ばれるのが舞台。演劇は、規模を問わなければ数多く選択肢がある。グループに所属しているときから舞台を経験するアイドルも多い。三谷幸喜の作品に抜てきされた元AKB48の秋元才加も、アイドル時代から数多くの舞台やミュージカルのステージを踏んできた。

映画もグループ在籍時から出演例が多いジャンル。元AKB48の前田敦子も2007年に『あしたの私のつくり方』に出演。その後、ドラマや映画で演技の経験を積み、近作の『もらとりあむタマ子』や『Seventh Code』では、演技力に対する評価も聞かれる。

地道な活動が次へのステップにつながる

最近多いのが、声優やアニソンシンガーなどアニメ関連の道を希望するアイドル。ただ、声優は高い技術が要求されるうえ、アニメファンは評価が厳しい。グループを卒業してすぐ活躍するのは難しいと言える。それでも、元AKB48の仲谷明香のようにグループ在籍時に声優を経験。その後、声優事務所に所属し、今年プリキュアシリーズの主題歌を担当するという大役を射止めた例も出てきた。

現在、ゴールデンタイムのドラマの常連組にも、かつてはグループアイドルに所属していた経歴を持つ女優は少なくない。すぐに成功を望むのではなく、地道な活動を続けられるかどうかが、次のステップへ進めるかどうかのポイントなのかもしれない。

( ライター 大貫真之介、日経エンタテインメント! 上原太郎)

[日経エンタテインメント! 2014年4月号の記事を基に再構成]

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