サポート切れのXP 「もったいない」が危ないわけ

最善策は8.1への乗り換え

図6 4月9日以降、個人のXPユーザーが取れる選択肢は4つ。利害得失を考えると、ウィンドウズ8.1パソコンに乗り換えるのが最善。どうしてもXPを使い続けたい場合は、徹底的なセキュリティー対策が欠かせない

2001年に登場したウィンドウズXPに対して、最新のウィンドウズ8.1が備えるセキュリティー対策は比べ物にならないくらい強力だ。例えば8.1は、プログラムがメモリー上のどこにあるのか特定されないようにする機能を備えている。ウイルスなどから攻撃を受けにくくなる。ユーザーアカウント制御(UAC)も、ユーザーが知らないうちにウイルスなどがシステムを操作するのを防ぐ。セキュリティーの観点からは、ウィンドウズ8.1搭載パソコンに乗り換えるのがベストだ。

そうは言っても、すぐに新しいパソコンに移行できない人はいるだろう。その場合の選択肢は3つある(図6)。一つは、パソコンにウィンドウズ8.1/7などの新バージョンをインストールする。パソコンを買い替えずに済む半面、古いXPパソコンは性能が低く、8.1や7を導入しても快適に使える保証はない。

もしくは、リナックスなどほかのOSに入れ替える手もある。リナックスは古いパソコンでも動作が比較的軽快だが、ウィンドウズ専用のソフトは使えない。また、リナックスに移行すればセキュリティー上の問題がなくなるわけでもない。

最後の選択肢は、対策を施したうえでXPを使い続けること。セキュリティー確保のため、インターネットには絶対につながない。読者の中には「XPパソコンはメールを使うだけ」「できるだけインターネットを使わない」と言う人もいるが、ネットにつないでソフトを使った時点で攻撃対象になるため、対策としては意味がない。

インターネットはもちろん、家庭内のネットワークにもつながない完全独立状態にする。加えて、DVDやUSBメモリーなどのリムーバブルメディアも一切使用しない。メディアを介してウイルスに感染する恐れがあるためだ。

当然、セキュリティー対策ソフトは導入しておくべきだが、定義ファイルの更新が困難になることは覚えておいた方がいいだろう。ウイルス定義を更新するときだけ、セキュリティー対策ソフトが使用するファイアウオールのポートを開放する方法もあるが、ネットワークの知識が必要で手間もかかる。現実的な運用とは言い難いからだ。

使用する各ソフトは最新版が望ましい。ソフトにある脆弱性を攻撃される恐れがあるためだ。とはいえ、OSがXPではソフトもすべて最新版というわけにはいかないだろう。

こうした対策を施したとしても、XP搭載パソコンは使い方が非常に限定される。XPでしか動作しないソフトやハードを使うため完全独立で使う、子供用として特定のソフトだけ使わせるといった使い方しかできないだろう。「まだ使えるパソコンを捨てるのはもったいない」という精神は大事だが、そのために損害を被ることのないようにしてほしい。

(日経PC21 江口悦弘)

[日経PC21 2014年5月号の記事を基に再構成]

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