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サポート切れのXP 「もったいない」が危ないわけ

2014/4/8

■不正送金の被害も急増中

XPは設計が古く、最新のウィンドウズ8.1に比べてセキュリティー面で弱い。実際、ウィンドウズのバージョンごとに比べた悪意のあるプログラム(ウイルスなど)に感染する率は、XPが突出して高い(図4上)。

ウイルスのような悪意のあるプログラムがパソコンに侵入すると深刻な被害をもたらす(図4下)。警察庁によると、2013年に発生したインターネットバンキングの不正送金による被害額は14億円を超える。被害に遭った口座のほとんどは個人の名義だという。

金銭の被害に加えて、個人情報や企業の機密情報が盗まれる恐れもある。メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)といったクラウドサービスのアカウントを乗っ取られ、「なりすまし」やネット詐欺などに悪用される例もある。そんなことになれば、社会的な信用を失いかねない。

図4 [上]マルウエア(ウイルスなど悪意のプログラム)に感染する割合。OS別に見ると、遭遇率(マルウエアに攻撃される確率)はどれも大差はないが、感染率はXPが飛び抜けて高い。最新のウィンドウズ8に比べて、XPはウイルスなどに侵入される危険性が高いことがわかる(「マイクロソフト セキュリティ インテリジェンスレポート第15版」から引用) [下]パソコンにウイルスなど悪意のプログラムが侵入すると、銀行口座からお金を盗まれるといった深刻な被害に遭う恐れがある。直接被害がなくても、攻撃手段としてパソコンを悪用されることもある

自分が被害に遭うだけでなく、他人に危害を加えてしまうこともある。ウイルスに乗っ取られたパソコンは、遠隔操作で詐欺メールを送ったり、企業や政府機関のサーバーにサイバー攻撃を仕掛けるのに利用されたりする。ユーザーが知らないうちに、不正行為に加担することになるかもしれない。

仮にこの先、XPの脆弱性を利用した不正行為によって金銭的な被害が広範に発生した場合、マイクロソフトに対応を求める声が上がる可能性もある。しかし、マイクロソフトは「仮定の話には答えられない」としながらも、「4月9日以降はXPのサポートを提供しない方針に変わりはない」という。

XPという製品の欠陥によって重大な損害が発生したのならともかく、悪意のある攻撃者による犯罪行為に対して対応を求めるのは現実的ではないだろう。かつてピッキング行為による空き巣被害が問題になったことがある。それ以前は単純なシリンダー錠でもそれなりに安全だったが、ピッキングの登場により脆弱な鍵になってしまった。だからといって、錠前のメーカーに「すべて取り換えろ」とはならなかった。まして、XPはOSであってセキュリティー対策ソフトではない。

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