過激描写が売りのペイTV 実話に基づく性研究ドラマ海外ドラマはやめられない!~今 祥枝

2014/2/22

カルチャー

米国のドラマで近年、勢いがあるのはケーブル局のオリジナル番組。なかでも、基本料金にプラス料金を支払って契約するペイTVといわれる有料チャンネルは、独自の路線を追求して映画との垣根がどんどん無くなっているのが現状です。視聴料で成り立っているため表現の自由が大きく、とりわけ視聴者のくいつきがよい性描写(平たく言えば裸)とバイオレンスの2本柱は、ペイTVの専売特許。これでもかと過激なシーンに、これがテレビなのかと日本人なら驚く番組も多いでしょう。

そうした中、2013年の秋からShowtimeに登場した新作『Masters of Sex』は、ずばりセックスがテーマ。セックス・リサーチの先駆者マスターズ博士と、助手のジョンソン女史の研究過程を描いた実話に基づくドラマです。

『Masters of Sex』。セックス・リサーチの先駆者ウィリアム・マスターズ博士と、助手のヴァージニア・ジョンソン女史の研究過程を描いた実話に基づくドラマ。出演は、『フロスト×ニクソン』の映画俳優マイケル・シーン、『New Girl』や映画『127時間』のリジー・キャプラン、『スターゲイト SG-1』や多くの映画に出演するボー・ブリッジス。Showtimeにて2013年9月より放送スタート。惜しくも受賞は逃したが、第71回ゴールデン・グローブ賞テレビ部門では作品賞、主演男優賞の候補になった (C)Everett Collection/アフロ

セックスを科学研究の対象にするのは、映画『愛についてのキンゼイ・レポート』で描かれたキンゼイ博士が有名ですが、マスターズ&ジョンソンの研究はさらに突っ込んだもので、米国では大変よく知られた人物だといいます。

物語の舞台は1957年。性については保守的だったアメリカ医学会において、セックスの研究は大学側に当然却下されます。それでもマスターズは単身売春宿に乗り込み、仕事現場をひそかにのぞくことから始めます。次に一般の被験者を対象に、性行為中の脈拍数等の数値を計測したり、女性器の中の変化を観察する器具を開発するなど、一般人からすると変態の域。

芸術性の追求にも挑戦

もちろん、本作はキワモノではありません。きっちりとこの時代の背景を踏まえつつ、当時の男女のセックスに対する考え方の違いなどから、様々な社会事情を浮き彫りにしていきます。視聴者にしても、他人とは共有することの難しい自らの性生活について、番組を見ながら思うところもあるかもしれません。

主演は『フロスト×ニクソン』『クイーン』のマイケル・シーン。いかにも研究者らしく、常人とはズレた感覚を発揮して笑いを誘うなど、軽妙な演技を披露してハマリ役。当時の衣装や美術ほか近代時代劇の要素は、『マッドメン』の魅力にも通じます。

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