【女子の好きな「週刊少年ジャンプ」 『黒子のバスケ』】

着実に人気を得てきた『黒子のバスケ』が、2012年4月からアニメ放送が始まり一気にブレイクした(放送は9月で終了)。

圧倒的な才能を持つ「キセキの世代」と呼ばれる男子高校生たちを中心に、各校が激闘を繰り広げていくバスケットボールマンガ。「少年ジャンプ」のバスケマンガといえば、1990~96年にかけて連載された国民的ベストセラー『スラムダンク』が思い浮かぶ。『スラムダンク』はリアリティーのある骨太な描写で魅了したのに対し、『黒子~』は現実離れしたスーパープレーの描写が多い。

アニメ放送後、女子支持爆発! 人気のポイントは?

主人公・黒子テツヤの武器「生来の“影の薄さ”を生かした見えないパス」をはじめ、「命中率100%の超長距離3ポイントシュート」「他人の技を一目で自分のモノとする模倣(コピー)能力」など、現実では不可能に近い“必殺技”を持っている。この点は、派手な必殺技連発で女子ウケした『テニスの王子様』に通じる。

各登場人物の造形が、事細かく作り込まれているのもポイントだ。例えば「キセキの世代」のシューター・緑間は、プライドが高く知的なイケメンながら、星占い好きでその日のラッキーアイテムを必ず持ち歩く。キュンとくるギャップを含め、バスケに関係ない特性まで掘り下げられている。

さらに、ライバル同士の相克、チームメートの信頼関係、日常シーンでのたわいないふざけ合いなど、キャラ同士の細かい人間関係が挟み込まれる。「登場人物の関係図を作った場合、その関係性や結びつきが複雑であればあるほど、女性の妄想が入り込む余白がある」と、ジュンク堂書店の山口由香里さん。「バスケ部の監督は女性だけど、女を感じないキャラクター。ヒロインがいないから読者がヒロイン。自由に想像を膨らませられる」とも。

個性的でカッコいい男子たちが大量に登場。彼らの人間関係を細かく描写し、胸のすく痛快な必殺技で各キャラの見せ場を演出する。女子がハマらないわけはない。

(ライター 芝田隆広、平山ゆりの)

[日経エンタテインメント!2012年10月号の記事を基に再構成]

エンタメ!連載記事一覧