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国内タブレット市場の起爆剤 7型端末選びのポイント

微妙なサイズの違い、通信の有無、コンテンツの充実に着目

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NIKKEI STYLE

30日、KDDIとソフトバンクモバイルが米アップルの7型タブレット(多機能端末)「iPad mini」の携帯電話内蔵モデルを発売した。9月に発売された米グーグルのネクサス7(台湾エイスース製)に加え、12月にはアマゾン・ドット・コムが「Kindle Fire(キンドル・ファイア)HD」の発売を予定している。年末に有力端末がほぼ出そろう。

タブレット端末はこれまで10型サイズの「iPad」が市場を独占していた。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)よりも大きな画面と10型タブレットが劣る携帯性を備える7型端末は、国内のタブレット市場に火をつける起爆剤となる可能性を秘めている。

「携帯電話回線内蔵のタブレットが8割に」

「これまでタブレット市場全体で、ネットワークにつながるもの(携帯電話機能内蔵型)が2割程度、8割がWi-Fi(無線LAN)対応モデルだった。持ち運びができる7型のiPad miniがでることで、ネットワークにつながるモデルが8割となり逆転するとみている」――。KDDIの田中孝司社長は30日のiPad miniの発表会でこう話した。7型タブレットは、ユーザーが持ち運びいつでもどこでも通信する端末として期待を集めている。

7型タブレットは、家電量販店の売り場にも変化を起こしている。従来の10型タブレットに加えてネクサス7を扱うようになったビックカメラ有楽町本店のタブレットコーナーの販売担当員は「10型端末の購入者は男性が大半だった。7型は半数弱が女性で、高齢者の関心も高い」と変化を実感している。売り場には10型端末も並ぶが、ネクサス7は持ち運びがしやすく容量価格が2万円以下(16GB機種)という点が受けているという。

実は日本は他の地域に比べてタブレットの普及がそれほど進んでいない。米調査会社ディスプレーサーチの調べによると2011年の日本の販売台数は358万台と米国の販売実績である3600万台を1桁下回る。これまでのタブレット市場は米アップルのiPad(10型)が独走状態。米国では自動車通勤も多く、持ち運びにさほど不便さを感じないなど生活様式の違いに加え、映画や書籍などのデジタル化が日本よりも進み豊富なコンテンツが流通しているということが背景にある。

「世界全体を見て、これまでは日本はタブレットの浸透率は非常に低かった。だが、これからはタブレットの時代がくる」とKDDIの田中社長は意気込む。

「年末商戦では、7型タブレット端末の構成比がかなり高まる」と家電量販店の販売動向を調査しているBCN(東京・千代田)アナリストの森英二氏は予測する。同社の調査では、国内のタブレット端末販売に占める8インチ以下の構成比は、9月時点で15.95%、10月に52%、11月は60~70%台と高まっている。電車通勤が多く、移動中の利用シーンが多い、スマホより大きな画面の端末を常に持ち歩きたいというユーザーのニーズにマッチしたものと推測できる。

 ユーザーがタブレットを選ぶ際に着目すべきポイントは、端末そのものの魅力、通信機能、タブレットを最大限に活用するためのコンテンツの充実具合になる。MM総研パーソナル・ネットワーク研究グループ研究部長の横田英明取締役は、「従来型の携帯電話(フィーチャーフォン)も端末の充実、通信環境の整備、コンテンツの充実というステップで進化してきた」という。新しい市場を開拓する7型タブレットでも同じことが起こるという。

薄く、軽く「別物」の体験

IT(情報技術)ジャーナリストの本田雅一氏は「10型とハード面では似通っているが、7型の『体験』は全く別物」という。実際に端末を使って違いを体感してみた。

無線LANモデルで比較すると10型のiPad(601グラム)とiPad mini(同308グラム)を持って比べると、重さの違いに驚く。10型のiPadは電車内で取り出すと存在感があり、画面も大きく満員電車の中では特にメールやフェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を見るのはばかられた。壁によりかかった状況では安定して持つことができるが、立った状態ではほとんど取り出さなくなってしまう。毎日かばんに入れて持ち運ぶのがおっくうになり、自宅に置きっぱなしとなってしまった。iPad miniのサイズと重さなら、毎日持ち運んでも苦にならず、かばんを肩にかけた状態からでも簡単に取り出すことができる。

一方、4インチのiPhone5と比較して大きな差を感じたのは、電子書籍アプリとウェブページの一覧性の高さだ。試し読みができる漫画コンテンツをダウンロードしてみたが、iPad miniが見開き2ページを1画面に収めて再現していたのに対し、iPhoneは1画面に1ページしか収まらない。吹き出しのせりふも、拡大操作をしてみないと読めない場合があった。

地図もiPad miniは一覧性が高く、現在位置をすぐに把握できる感覚があった。例えば、位置情報から近くのレストランを地図情報と表示してくれるiOSアプリ「30.minランチマップ」。iPad miniであれば、店舗情報と地図が同時に閲覧できるが、iPhoneでは同一画面で表示ができない。iPhoneでは表示される範囲が狭いため、画面を縮小表示するなど、全体像を把握するにはもう1段階の操作がいる。

ただし、iPad miniはiPhone4以降で搭載しているRetina(網膜)ディスプレーを搭載していない。解像度が低い分、写真を表示しても粗さが目立つなど、画面の小さなiPhoneと比べても不満が残った。

微妙なサイズ差、軽さと薄さが鍵

では同じ7インチで端末の違いはどれくらいあるのか。iPad miniとネクサス7を比べてみた。

大きさをイメージしやすくするため実際の書籍と比べると、縦20センチ、横13.4センチのiPad miniは四六判の書籍とほぼ同じ大きさ。縦19.8センチ、横12センチのネクサス7はそれよりも小さく、新書判より一回り大きいくらいだ。ただしこの大きさの差を本体の薄さが補っている。iPad miniが7.2ミリとえんぴつと同じくらいなのに対し、ネクサス7は10.45ミリ。薄さの差は約3ミリとわずかだが、iPad miniを持ったあとにネクサス7を持つと、厚さの違いのため、重たくぼってりとした印象を受ける。

 どちらも利用時は書籍を開いている程度の使用感で、電車の中で片手で使う分には重さや大きさを負担に感じることはなかった。

ただ注意が必要なのは、7型は「片手に収まるサイズ」で満員電車の中でも片手で持つことができるが、もう一方の手がふさがった状態では、画面操作がかなり難しくなることだ。スマホよりもサイズが大きい分、アプリをクリックしたり、文字を入力したりするには片手で本体を支えるのは難しく、両手で持つ必要がある。

数週間使ってみた感覚では、移動中にメールの返事をする必要があるときは、片手でタイプしやすく、携帯回線につながっているスマホで済ましてしまうことが多かった。7型タブレットは、片手で操作するなら文字入力が頻繁なアプリには向かず、電子書籍やWeb、動画、SNSなどの閲覧が主な役割となりそうだ。

7型タブレットは毎日持ち歩くだけに、自分の手になじむかが重要なポイントになる。実物を見るとサイズの微妙な違いや重さなど、新たな発見があるはずだ。

通信方式と密接にかかわる使い勝手

持ち運びできることが特徴となる7型タブレットで、大きな判断材料になるのは携帯電話機能の有無だ。公衆無線LANのアクセスポイントは広がったが、電車内など移動しながらの利用など使い勝手を重視するなら、3G(第3世代携帯電話)/LTEの搭載が必須となる。KDDI、ソフトバンクが発表した通信料金プランはキャンペーンを除くと月額基本料金は5985円(2年間の割引適用で5775円)かかる。購入時点で判断を迫られるだけに、注意が必要になる。

BCNの森アナリストは、「7型タブレットでも無線LANのみのモデルが半数を占めるのではないか」と、冒頭のKDDI田中社長とは異なる読みをする。「モバイル無線LANルーターを活用したり、スマホを親機として使うなど、複数の通信回線をひとつにまとめる方向がトレンドとなりつつある」という。実際、アップルはiPad miniに無線LANのみ版と携帯電話機能内蔵版を用意。ユーザーに選択を委ねている。

7型タブレットはバッテリーの容量が大きいため、電池の持ちがスマホに比べてよい。スマホはフル充電しても1日で使い切ってしまうなど電池の持ちが大きな問題になっている。このため「フィーチャーフォンと7型タブレット端末の2台持ちも十分あり得る」とディスプレイサーチのアナリスト氷室英利ディレクターは話す。電池の消耗が早いスマホを1台持つのではなく、通話専用のフィーチャーフォンとウェブ検索や閲覧のためのタブレットという役割分担もひとつの選択肢になる。

今回、無線LANルーターを使い無線LAN機能のみのiPad miniとネクサス7を持ち運んだが、ルーターとタブレットの接続など2台の機器を別途操作するところに煩わしさを感じた。費用対効果にかかわる問題だが、使い勝手の良さと通信機能の有無はトレードオフの関係にあるだけに、じっくり選択する必要がありそうだ。

アプリの充実度ではiOSだが…

最後に、コンテンツの充実度も大きな判断材料になる。現在7型タブレットのOS(基本ソフト)はアップルの「iOS」とグーグルのAndroid(アンドロイド)に大別される。本田氏とITジャーナリストの戸田覚氏はどちらも、OSのコンテンツの充実度合いではiOSに軍配を上げる。

「タブレット端末の購入はOSのエコシステム(生態系)に着目するべきだ」。本田氏はこう指摘する。例えば、旅行サイトでホテルや飛行機を予約しようとする際、パソコンであれば、キーボードをたたいてWebサイトにアクセスするところから始まるが、タブレットではそのための専用アプリがあれば作り込んだプログラムを使えるというわけだ。

 10型のiPadで先行したiOSは、タブレットの専用アプリが充実している。グーグルはアンドロイド向けのアプリを70万本そろえiOSとほぼ並んだが、これはスマホ向けを含むアプリ数。27万5000本のiPad端末専用のアプリを持つiOSが優勢だ。アップルはiPad miniを開発する際に、画面解像度を旧モデルのiPadと同じにすることでアプリ資産の継承を図った。こうしたこまかな取り組みが「魅力的なアプリを次の端末にひきつげる」というメリットになっている。

定期的なOSアップデートのサポートについても戸田氏は、「iOSに対する力の入れ方が違う」と評価する。アンドロイドでは端末を複数のメーカーが製造しているため仕様が異なる。同じ7型タブレットといえども、アプリ開発者は投資もしづらい側面がある。

ただ今後HTML5の普及などに伴い専用アプリではなくブラウザベースのアプリが専用アプリに取って代わる可能性もある。またWebブラウザーやメール、SNSなど限られたアプリを使うだけならアプリの充実度で後じんを拝するアンドロイドでも十分な選択肢となる。タブレットをどういう用途で使いたいかが、ユーザーの選択を分ける基準となりそうだ。

広がる電子書籍の選択肢

7型タブレットの用途として大きなジャンルとなるのが電子書籍。アマゾンが12月に出荷を始める「キンドル ペーパーホワイト」は価格が7980円で他社のタブレットより安く買える電子書籍端末だ。

電子書籍端末は、汎用的な7型タブレットに比べて、ライトを点灯しても8週間電池が持つ電池の持ちの長さ、電子ペーパーの採用で屋外の日の光の下でも文字を読める設計など「読書端末」としての性能が格段に高い。機能を絞ったゆえに価格が安いことも売りになる。Webブラウザーなどを搭載し機能を充実させたKindle Fire HDの発売も予定しており、専用機能を核に7型タブレット市場に食い込もうとしている。

安いものでは数千円台から手に入る7型タブレット。10型タブレットに比べて値ごろ感もあって好調な売れ行きを見せている。ただ通信機能がつくと2年縛りの料金体系もあって大きな出費となる。慎重を期し、優先順位をつけて最適な端末を選びたい。

(電子報道部 杉原梓)

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