増加する被害件数、怪しい「もうけ話」の傾向と対策

悪質な金融商品の勧誘や販売でトラブルに遭遇する人が増えています。特に60歳以上の世代で被害件数が増加しているのが最近の特徴。老後のために蓄えた資金を狙う業者の手口は巧妙化しており、うっかりお金を出す人が後を絶たないのが現状です。怪しい「もうけ話」のウソを見極めて自分の資金を守るためには、どのような手口があり、何に気をつけるべきなのか、傾向と対策を知る必要があります。悪質な勧誘や誤解を招く販売などで泣き寝入りしないためのポイントを、3回の連載で解説します。

なぜあんな手口に引っ掛かったのだろう――。悪質勧誘の被害者はこんなふうに悔しがるケースが多いという。最近は全国的に件数が増え、手口も巧妙化している。

未公開株・社債の相談増

消費者庁の調べによると未公開株関連の2010年度の相談件数は前年より4割多い8500件超。架空社債などの相談件数は同4倍の6700件超に到達、2011年度も11月上旬までで5000件を上回っている(図1)。このうち60歳以上が8割近くを占めるのも特徴。現役を退き悠々自適の年金生活と思いきや、もうけ話をエサにした「わな」が潜んでいる。現役世代の50代でもトラブルに巻き込まれた例があり、ひとごととはいえない。

図1 未公開株と公社債に関する相談件数の推移。PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に寄せられた苦情と相談の件数を相談者の年齢で60歳未満と60歳以上に分けて集計した。(消費者庁調べ。※は2011年11月7日までの値)

被害を受ける手口としては、図2の4種類が代表的だ。その中でも最近、特に多いのは、複数の業者がグルになって勧誘する「劇場型」という手法。未公開株、社債、社員権、FX(外国為替証拠金取引)など様々な名称の資産を語って被害者を信じ込ませ、大事な虎の子をふんだくる。組織的な詐欺グループが逮捕された事例もあり、今や社会問題だといえる。

図2 個人投資家が怪しい「もうけ話」でトラブルに遭遇する4つのパターン(イラスト:千野エー)

手法の具体的な内容については連載の第2回と第3回で解説する。今回は被害を受けないために知っておきたい注意点をまずは取り上げよう。

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