元塾講師が見た学校現場~ママ世代公募校長奮闘記(11) 山口照美

2013/10/4
大阪市の小学校は「放課後ステップアップ事業」として、各学年週に1時間ずつ、講師がついて自習支援を行う。私も時々、サポートで入っている。宿題を「こなす」のではなく、身になるやり方で取り組んでほしいと指導している

もう一度、整理しよう。

公立小学校の目標は、まずは全員が「ゴキゲンに学校に来て、ゴキゲンで帰ること」。自分は受け入れられている、学校が好き、仲間がいるという喜びに満ちた学校を作ること。

次に、知的好奇心を満たし、膨らませ、中学につながる「勉強の仕方」を身につけた子どもたちを育てること。

そのために担任の授業の力を、特に先ほど触れた「子どもの『わからない』に寄り添える先生」を育てる必要がある。個別の能力差に気づいた上で、集団授業をどう組み立てるか。塾講師時代の想像を超えて、学校現場は厳しい。

学力テストの県別や学校別の結果より大事な、1人1人の達成すべき目標がある。塾にいた頃、「難関校合格者数NO.1」より「第1志望合格率NO.1」の方がいい塾だと思っていた。難関校に合格した生徒以外は数に入れてもらえない塾ではなく、それぞれがレベルや個性に合った、行きたい学校に行ける塾。

学校に置き換えれば、今日の「できた!」はそれぞれ違っていい。仮にできなくても、挑戦した姿勢を褒めたい。運動でも挨拶でも、一つ自信がつけばまた一つ、がんばってみたくなる。その延長線上に、学力向上がある。その道のりは単純ではない。

まずは運動会。

子どもたちが褒められる場になるように、しっかりバックアップしたい。

みんな、がんばれ!

山口照美(やまぐちてるみ)
同志社大学卒業後、大手進学塾に就職。3年間の校長経験を経て起業、広報代行やセミナー講師、教育関係を中心に執筆を続ける。大阪市の任期付校長公募に合格、2013年4月より大阪市立敷津小学校の校長に着任。著書に『企画のネタ帳』(阪急コミュニケーションズ)『売れる!コピー力養成講座』(筑摩書房)など。ブログ「民間人校長@教育最前線レポート」(http://edurepo.blog.fc2.com/)も執筆中

(構成 日経BP共働きプロジェクト・日経DUAL編集部)

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