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患者からのデートの誘いはOK? 医師の恋愛ルール 米国NPの診察日記 緒方さやか

2013/11/8

 米国の医療機関などで働きながら、出産・育児を経験した著者が、仕事・出産・子育て・文化の違いなど、さまざまな切り口で、米国社会とそこで働く女性の現状を紹介。読めばリアルな米国が見えてきます。さて、今回取り上げるテーマは医師と患者の恋愛事情。米国では、治療中の患者と、医師の間の恋愛は不正行為とされているのだとか。

■国境なき医師団を経験した医師が、NYで悩んでいること

 昔一緒に働いていた医師がアフリカから帰国したというので、久しぶりに会った。まだ30代後半だが、幼児からお年寄りまで、さらには妊婦も診る優秀な家庭医である。一緒に働いていた時は本当にいろいろ教わったものだ。ナースプラクティショナー(NP)の大学院では学ばなかった切開排膿ができるようになったのも彼のおかげだ。「一回見て、一回やってみて、一回誰かに教えればできるようになる」という豪快なコンセプトの下、教えてもらった。

予約はすべてオンラインで行える

 国境なき医師団を通じてタンザニアと南スーダンで働いていた彼は、数カ月前にマンハッタンに戻ってきた。お洒落なイーストビレッジの友人のクリニックを、使用していない早朝と夜の数時間だけ借り、忙しく働く若いニューヨーカー向けに一人きりで開業しているという。予約はすべてオンライン。誰も雇わず、バイタルサイン(血圧、脈拍など生命の状態を判断する情報)を取るところから健康保険会社との交渉まで、一人でやっている。一時期、流行する兆しを見せた「マイクロクリニック」という形態だという。勤め先を探さず、新しい発想で仕事をするというのは、いかにも彼らしい。

 そんな彼が、「クリニックはうまく行っているんだけれど、困ることが一つあってさ」とこぼした。お年寄りの多いクリニックで働いた時と比べて、患者さんにデートに誘われることが非常に多くなったというのだ。イーストビレッジはニューヨークでも新しい文化の発信地として知られるリベラルな街で、ゲイも多い。そのため、彼に声をかけるのは女性だけではないようだ。

 女性の場合は、診察の後でメールをしてきて、「こんなこと言ったら驚くかもしれませんけれど、今度コーヒーでも飲みに行きませんか」という穏やかな誘い方が多いらしい。一方、男性は診察中に堂々とデートを申し込んでくるという。「これも男女の違いだよなー」と彼は笑っていた。ちなみに、男性の患者さんには、「彼女がいます」(実際いる)と言って断り、女性の患者さんには、「そのようなことは医師免許に関わる行為であり、禁止されています」と断っているという。

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