
ゴールデンボンバー、サカナクション、きゃりーぱみゅぱみゅ――テレビや雑誌で聞き慣れたミュージシャンの名前も、改めて考えると意味が分からないものも多い。その名前はいったいどのような意図で付けられたものなのか。
今回はデビュー10年以内のミュージシャン計50組の名前の由来を調査。最近の名前の付け方の傾向について、「バンド・アーティスト編」と最近増えている「女性アイドルグループ編」に分けて探った。

ミュージシャンの名前には、目指す方向性や本人たちの好きなものなどを織り込むケースが多い。だが、バンドの場合はその意味が分かりにくいオリジナルの「造語」を付けるものが目立った。
例えば「サカナ」+「アクション」で、「魚のように急な動きに対応できるバンドになりたい」との願いを込めたのが、サカナクション。UVERworldは「UVER(=OVERの意)」+「world」で「自分たちの世界をも超える」という意味を込めるなど、2語を組み合わせることで、新たな言葉を作り出している。
アイドルはコンセプト重視
バンドの場合はインディーズでの活動が認められ、メジャーデビューに至るというケースがほとんど。グループ名もデビュー前に本人たちが好き勝手に付けたものなので、一見、意味の分かりにくいものが多くなるようだ。なかにはゴールデンボンバーやクリープハイプのように特に意味はなく、語感の面白さやインパクトの強さからノリで付けたものもあった。

これに対し、芸能事務所やレコード会社がデビューを前提にメンバーを集め、最初からプロデューサーが関わるアイドルやボーカルグループの場合は、名前にコンセプトを感じさせるものが多い。使われる単語も、意味を想起しやすい比較的平易なものがほとんどだ。
ハロー!プロジェクトに所属する℃-uteは、「かわいい」を意味する「cute」が語源。「C」を温度の単位である「℃」に変えて、メンバーの情熱の高さを表す。海外進出も視野に結成されたエイベックス所属のSUPER☆GiRLSは、どこの国の人でも分かりやすい英語での表記にこだわった。
AKB48グループの派生ユニットも傾向は同様。「今はまだまだ」という言葉に、成長の余地があることを託したのがNot yet。DiVAはそのものずばり、イタリア語で「歌姫」の意味だ。
今回の調査方法については、各レコード会社・事務所への聞き取り、本人へのインタビュー、公式ホームページならびに本人の著作を参照してまとめた。