男性が育児でイノベーション 「イクメン2.0」の時代日経BPヒット総研所長 麓幸子

エンターテインメント、トレンド、健康・美容、消費、女性と働き方をテーマに、5人のヒット案内人が世相を切るコラム「ヒットのひみつ」。いまを象徴するキーワードから、話題の理由、面白いワケなど、「ひみつ」を明らかにします。今回のヒットワードは「イクメン2.0」。育児休業を取得し、その「育児経験を生かして組織にイノベーションを創出する男性」が登場しています。

厚生労働省が、男性の子育て参加や育児休業取得の促進等を目的とした「イクメンプロジェクト」をスタートさせたのは、2010年。父の日に先だった6月17日だった。その年にユーキャン新語・流行語大賞のトップ10に入るなど大いに注目された。

政府は2020年度に男性の育休取得率を13%にするという目標を掲げている

政府は2020年に指導的地位に占める女性の割合を30%にするという目標(略して「202030」「2030」と呼ばれる)を持っているが、同じく20年度に男性の育休取得率を13%にするという目標も掲げている。2012年度では1.89%(厚生労働省調べ)なので、この達成はなかなか高いハードルではある。

しかし、「イクメン」が世に出て4年たち、企業側の取り組みにも変化が見られる。日本生命保険では、女性の社会進出を応援する観点から、2013年度に男性社員の育休100%取得という目標を設置、当該男性に上司との話し合いに基づく取得計画立案と提出を義務付け、2014年3月末までに取得期限を迎える男性社員279人全員が育休を取得、目標を達成した(2014年5月17日付日経朝刊女性面)。

またパソナグループでは、ダイバーシティ推進の取り組みの一環として、「パパプロジェクト」を2013年8月からスタート、小学生以下の子どものいる男性社員の週1回の時差出勤(10時出社または16時30分退社)を認め、保育園の送迎や家族との時間に利用する施策を打っている。

パソナグループ「パパプロジェクト」の集まり

写真は、パパプロジェクトの集まりで、実際に時差出勤をした人が経験談を話し、家事育児にどのように参加したら妻に喜ばれたか、自分だけでなく周りの社員も含めた働きやすさをどう推進しているか等のノウハウを共有する場となっている。

男性の家庭参画がなかなか進まないなかで、この2つの事例は、どちらも会社がリーダーシップを取り、男性の育児休業取得を強力に推進し、育児休業復帰後の日常生活においても男性の育児参加を支援するという点でユニークである。