「菌の種類によって効果は異なるようだが、基本的には乳酸菌をとることで免疫を活性化する刺激が入り、防御機能が働くのでは」と山本室長は語る。最近の研究で、NK細胞だけでなく免疫細胞全般の働きを高める乳酸菌があることもわかってきた。
キリンR&D本部研究所で乳酸菌の研究を行ってきた杉村哲研究員は「病原体の侵入を防ぐ免疫細胞は、プラズマサイトイド樹状細胞(以下、pDC)という別の免疫細胞から指令を受けている。そこで、このpDCの働きを高める乳酸菌を探し、プラズマ乳酸菌と名づけた」と説明する。
●乳酸菌が体の防御力を高めてウイルス感染をふせぐ
同社と国立感染症研究所の共同研究によると、この乳酸菌を含むヨーグルト飲料を飲んで、実際に咳や熱などのカゼ・インフルエンザ様疾患の発症が低減したという。さらに、血液を調べたところ、体内に入り込んだウイルスの増殖を抑制する力も高まっていた。
●プラズマ乳酸菌摂取がカゼ・インフルエンザ様疾患の症状を抑制
山本室長は「プラズマ乳酸菌は、体内にウイルスが侵入したときに、免疫系が即座に応答できるようにするだけでなく、ウイルスが増殖しないよう、細胞ひとつひとつの防御力を高めているともいえるのでは」と話す。