人気のスムージー、組み合わせでアレルギー誘発も
抗酸化作用、デトックス、免疫力のアップといったキーワードで大人気のスムージー。ビタミン類や食物繊維、ミネラルなど不足しがちな栄養素を補えるのが魅力だ。「美容や健康のため」毎日取っているという人も多いかもしれない。
でもちょっと待って。あなたは、スムージーを本当に効果的な方法で取っているだろうか。
AACクリニック銀座の院長、浜中聡子さんが、「予防医学」の観点からスムージーを効果的に摂取する方法を紹介してくれた。
まずは100ccから。毎日の朝食で習慣的に取ろう
浜中さんが勧めるスムージーの"黄金メソッド"は次のとおり。
1.摂取を習慣化する
2.取るタイミング
3.作ってすぐ飲む
4.食材を効果的に組み合わせる
スムージーは薬ではないので、即効性があるわけではない。「大切なのは毎日取ること。"お通じがよくなってきたな"とか、"風邪を引きにくくなったな"といった体調の変化を実感し、キープするためには最低2~3カ月は続けることがお勧めです。習慣化することで免疫力のアップにもつながります」と浜中さんは話す。
摂取のタイミングは、朝がベスト。朝食は、午前中ではなくむしろ午後からのエネルギーチャージとなる食物なので、ここでビタミン類が豊富で抗酸化作用のあるスムージーを取ることは、とても効果的だ。「朝、必要な栄養素を取りためておくと、昼、夜の食事バランスが多少崩れても余裕が持てます」と浜中さん。
「朝起きて、毎日スムージーを作るのは面倒くさい」という人も、頑張って最初は100cc程度から挑戦してみるといいだろう。
ただ面倒だからといって、前日などに作り置きをするのはNG。生の野菜や果物を使うスムージーは、時間がたつと酸化が進んで栄養価が下がるため、「作ったらすぐ飲む」のが鉄則。少しでも時間をおく場合は、ラップをして直接空気に触れないようにしよう。
同じ食材の組み合わせに注意
一方、意外と知られていないのが食材の組み合わせ方だ。
スムージーをよく取る人は、「毎回、同じレシピで作っている」という人も多いはず。実は、これによって「遅延型フードアレルギー」を引き起こす可能性があるため要注意だ。
遅延型フードアレルギーとは、よく知られている即効型アレルギー(食べ物を摂取してすぐに症状が表れるもの)とは異なり、食物を摂取後、数時間から数週間後に症状が表れる食物アレルギーだ。症状が出にくいため、原因に気づきにくくよく分からないまま不調になる人が多いのが特徴だという。
しかも、遅延型フードアレルギーの原因として上位にくる食品の中には、乳製品(ヨーグルト、牛乳、チーズ)、バナナ、パイナップル、スイカ、メロン、柿といった、スムージーの材料として人気のものが多い。
"体にいいから"と毎日同じ野菜、果物、乳製品などを取って取り続けることが逆効果になることも。
「スムージーのレシピは、最低3つは持ち、できるだけ多種類の食材を効果的に組み合わせるようにしましょう」と、浜中さんはアドバイスする。
糖分は控えめ、ホットは温めすぎに注意
スムージーのコンセプトは、フレッシュな野菜、果物の栄養素を"食事"の一環として取ること。おいしさを追求すると、ついハチミツやシロップなど糖分を加えがちだが、カロリーオーバーには注意したい。
「スムージーは、食材の自然な甘みを生かすのがベスト。どうしても飲みにくい場合は、糖分を加えてもよいのですが"ほんのり甘い"程度に抑えましょう」と浜中さん。
また、野菜や果物の酵素やビタミンCなどを効果的に摂取するには、冷やした状態か常温がベストだが、体が冷えやすい人にはホットスムージーもOK。その場合は、できるだけ栄養素を壊さないよう短時間で温めるのがポイントだ。
この人に聞きました
AACクリニック銀座院長。医学博士。国際アンチエイジング医学会(WOSAAM)専門医、米国抗加齢医学会(A4M)専門医など多数の資格を持つ。「健康と美の調和」をコンセプトに、加齢による身体機能の低下に起因する体調不良や、予防医学による健康増進、女性の薄毛や肌の悩みの治療、指導などを行う。著書に「ドクターズ スムージー決定版」(扶桑社刊)などがある。
(ライター 源川暢子)
[nikkei WOMAN Online 2013年11月18日掲載]
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