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女性手帳、反対するだけで終わらないために 産婦人科医 吉田穂波

2013/6/7

安倍内閣が導入を検討していた「女性手帳」。市民団体などから「女性の生き方の選択に国が干渉すべきではない」などと批判が相次いだこともあり、当面配布の見送りが決まりました。女性手帳について、4児の母でもある産婦人科の吉田穂波さんはどのように考えているのでしょうか。

私が最初に「女性手帳」という記事を見たとき、「ああ、またね」と言う程度にしか認識しませんでした。と言うのは、今までにも、日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会が「女性の生涯健康手帳」を発行しており、ほかにも「女性○○手帳」と名のつく小冊子にはたくさんお目にかかってきたからです。

森少子化相(右)に提言書を手渡す「少子化危機突破タスクフォース」の佐藤博樹座長=共同

子を持つ母親ならだれでも、子どもの数だけ「母子健康手帳」、そして「お薬手帳」「歯の健康手帳」などをお持ちのことでしょう。

あっという間に忘れてしまう医療保健関連のイベントを記録しておくために、手帳というものは大変ありがたい記録ツールです。私は医師として、そのほかにも「服薬手帳」「血圧手帳」「体重管理手帳」など、健康サポートのためのいろいろな手帳を知っています。これらをすべて管理するのは大変だなぁ、なんて思っていました。

■妊娠・出産適齢期の知識は必要

今話題の「女性手帳」には、妊娠適齢期などの必要知識や自治体の支援施策を記した部分があるようです。妊娠適齢期や産みやすく育てやすい年齢がある、ということは、女性にとって必須の知識です。

女性手帳のコンセプトを産婦人科医の立場から改めて見直してみると、妊娠・出産適齢期に関する知識は、持っていて邪魔になるものではありません。「いつのまにか自分では選択できない年齢になっていた!」「産むか・産まないかではなく、産めるか・産めないかという年齢になっていた!」という状況を防ぐことは、キャリア・デザインの一助になります。

一昔前なら、親から子へ、学校や社会から、子どもを持つってすばらしい、やっぱり20代で子どもを持つ方が健康的なんだよ、と言われたものでした。もちろん、母親にこう言われた娘が反発したり、上司からこう言われて「セクハラ」と受け止めるというケースもあったのでしょうけれど。

どうも、上から「啓蒙」と出されると、「少子化の責任を女性だけに押し付けている」という抵抗や反発の方が目立つようです。カップルが2人でこのような手帳を見て、2人で子育てについて考えるのが理想なのでしょうけれど。

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