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東京ふしぎ探検隊

2011/7/1

東京ふしぎ探検隊

「鳥の鳴き声」に一本化、警察庁が通達

信号機のスピーカーからは「故郷の空」が流れていた(高田馬場駅前)

音の出る信号機はこれまで、利用者の声を取り入れながら進化してきた。

1970年代、音響式信号機は全国で設置が進んだ。信号機は各地の警察が自治体などと協議して仕様を決めるケースが多く、それぞれの地域ごとに様々な音が採用されたという。1975年ごろにはメロディー式だけで21曲あり、ほかにもチャイムやブザー、ベルなどがあった。しかし視覚障害者など利用者から音の種類が多すぎて困る、との要望があり、1975年に「通りゃんせ」と「故郷の空」、「ピヨ」と「カッコー」の4種類に統一することになった。「通りゃんせ」は採用数が多かったこと、「故郷の空」はアンケートで支持されたことが採用理由だという。

さらに2003年には鳥の声へ統一するよう、警察庁が通達を出した。実証実験を行った際、メロディー式より4種の鳥の声を使った方が横断歩道からはみ出しにくい、との結果が出たことが決め手となった。

以来、信号機を更新するたびにメロディー式は「鳥の声」に取って代わられ、「通りゃんせ」と「故郷の空」は徐々に姿を消していった。今では一部を除き、大半が鳥の声に切り替わっている。2010年3月末時点で、鳥の声の信号機が1万6155基、メロディー式は861基あるという。ただし地元の要望の強いメロディーは特例として残っている。横浜の「赤い靴」や静岡の「ふじの山」などの「ご当地信号メロディー」もそのひとつだ。

信号機の横にスピーカーがある(東京・千代田区)

ところでこの音響式信号機。実際に設置パターンを決めるのは各地の警察だ。日本盲人会連合(東京都新宿区)の鈴木孝幸さんによると、南北方向に渡る信号機が「カッコー」、東西方向が「ピヨ」と決めている地域と、その逆にしている地域がある、という。「旅行に出て方角を勘違いしてしまうことがあります。できれば同じ方向に統一してほしい」と訴える。

駅のアナウンスについても、鈴木さんはいくつか課題を指摘した。「例えば8両や10両など車両編成が違う路線の場合、次に来る電車が何両編成なのか、アナウンスではわからない駅があります。男女のアナウンスの声も、路線によっては分けている駅と分けていない駅があります。視覚障害者は何より音が頼りなので、もっとわかりやすくしてもらえれば助かるのですが……」。整備が進む音のサイン。ただ、整備が自己目的化しては意味がない。多くの人がもっと音に関心を持てば、音のサインはもっと使いやすくなる。

(電子報道部 河尻定、町田知宏)

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