50歳前後のアラウンド・フィフティー世代以降は、公的年金の支給開始が65歳になる。いわば「逃げ切れない」最初の世代だ。60歳で定年、すぐに悠々自適の年金生活に入れた先輩とはワケが違う。各種予測から10年後に定年を迎える昭和36年生まれの老後を分析してみたところ、状況はかなり厳しそうだ。逃げ切れない世代が老後に立ち向かうための対策を考えてみた。
「年功序列という階段を途中まで上ってしまっている分、これからがつらくなる」。家計見直しセンターの藤川太さんは、50歳前後の家計の未来をこう見通す。
昭和36年生まれ、2011年に50歳になる男性は、年金の受給開始が65歳スタートとなる初めての世代だ。ここ数年で定年で職場を去る先輩なら、報酬比例部分と呼ばれる年金がもらえる。一方、36年生まれのアラウンド・フィフティー・サラリーマンは、60歳の定年から65歳まで、準備を怠れば収入が途絶えてしまうのだ。先輩との違いは年金だけではない。日本航空の破綻に際して企業年金の減額が話題になったが、多くの企業で企業年金の積み立て不足は深刻な事態になっている。退職金や企業年金も先輩ほどは期待できない。