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サプリ、漢方、ブルーベリーは老眼に効く? 日経ヘルス プルミエ

2010/12/3

Q 目にいいサプリは老眼予防にもなる?

A 可能性に期待しましょう

眼精疲労対策など、目にいい成分として真っ先に頭に浮かぶのはビタミンAやブルーベリー、カシスなどに含まれるポリフェノールのアントシアニン、サケやエビなど魚介類や藻の赤い色素、アスタキサンチンなどです。

(注)カッコ内は、臨床試験で目の症状に改善効果があった1日摂取量

とはいえ、老眼にも予防効果があるかといえば、「今のところエビデンス(科学的根拠)はない」と言うのは、慶応義塾大学医学部眼科学教室教授の坪田一男さん。

「しかし、目の老化を防ぐという広い意味で、活性酸素を抑える成分には期待できます。例えば、加齢黄斑変性症に対しては、抗酸化力があるビタミンA(βカロチン)、同C、同E、亜鉛、銅に予防・治療効果があったとの臨床試験報告があります。酸化を防いで若さを保つ点で期待できると考えています」(坪田さん)

また、魚油などに含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)には、毛細血管がはり巡らされている網膜など目の血流や、脳の血流をアップする作用があります。

「抗酸化力では、ルテインやアスタキサンチンなども注目されています。これらは全身の老化予防効果が期待できる成分。目のアンチエイジングは全身のアンチエイジングとつながっていますから」(坪田さん)

Q 東洋医学では老眼対策はないの?

A もちろん、あります!

漢方では、老眼は全身のエネルギーの流れや、血液の貯蔵、筋肉の機能などをつかさどる「肝」(かん)と、腎臓などの泌尿器系のほか、生殖器・ホルモン・免疫系をつかさどる「腎」(じん)の衰えで起こると考えます。

老眼と時期が重なる更年期障害も、腎の衰えが大きな原因の一つ。そこで、肝と腎の働きを高める漢方薬を使います。また、目の95%は水分ですから、「水」の代謝を促進することも大切。日本薬科大学教授の丁宗鐵さんは「緑内障治療に利尿剤を使うなど、西洋医学でも目の健康と水分代謝の関係が常識化している」と話します。 

「目の次に水分が多いのは脳。漢方の視点では目の衰えと脳の衰えは同時に起こるので、一緒にケアします。目から得た情報が脳で処理できなければ、“見えた”ことにはなりませんから」(丁さん)

目と脳の血流や水分の代謝をよくする漢方の代表格は腎の機能を補う八味地黄丸(はちみじおうがん)。また血の滞りによる不調が多い40代、50代には、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)も効果を発揮します。「更年期障害の治療に使われる連珠飲(れんじゅいん)もストレスによる目の疲れなどに効きます」(丁さん)。

生活習慣としては、1.体を冷やさない 2.水分代謝を悪くする甘いもの、塩辛いもの、冷たい飲み物などを避ける 3.部屋を明るくし過ぎない 4.目や脳の疲れを抑えるため、疲れをとるため、しっかり眠る の4つが大切です。

丁さん自身は47歳のときにメガネが合わなくなり、「初期の老眼になった」と感じたそう。「そのときから水分代謝をよくするように気をつけ、その時々の体調に合った漢方薬をのんできたところ、老眼はこの12年間初期のまま進行していません」(丁さん)

(日経ヘルス プルミエ 黒住紗織、ライター 竹島由起)

[日経ヘルス プルミエ2010年8月号の記事を基に再構成]

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