「私の年齢や収入に見合った貯蓄額を知りたい!」(32歳・IT業界勤務のSE)。日経WOMAN誌の読者アンケートではこんな声が多く寄せられた。

「お金に対する価値観や人生は人それぞれ。絶対的な目安はないんです」と、ファイナンシャルプランナーの中村芳子さん。「ただ、20~30代は転職や留学などのターニングポイントが訪れる時期。どんな転機も逃さず次のステップへ進むために、やはりまとまったお金は準備しておきたいですね」
そこで中村さんが提案してくれたのが、以下の年齢別の目安。まずはこの数字を参考にしてみてほしい。
「目標は30歳で年収と同じ額を貯めること。例えば、手取り年収300万円の人が23歳から毎年15%を貯めると、入社7年目の30歳で貯蓄額が年収と同じ300万円になります」。生活費と一緒の口座に貯めると、つい取り崩してしまいがちなので、「将来のためのお金」として別口座を作り、手をつけないのがポイントだ。
さらに、算出した年間貯蓄額の目安と働いた年数を掛け合わせれば、「今のあなたの年収・年齢で貯めているべき額」が分かる。「貯蓄額が目安に届いていない人も大丈夫。20~30代は稼げる時間がたっぷりあるので、これから貯蓄をスピードアップすれば、巻き返すことは十分可能ですよ」
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【年齢別 貯めておきたいおカネロードマップ】
23歳(就職)生活費の1カ月分は最低でも確保
貯蓄の仕組みを作り緊急用のお金を貯める
一般的に、貯蓄ゼロの人が目標にすべき金額は生活費の3カ月分。例えば毎月20万円で生活する場合、貯蓄目標額は60万円。病気やケガの場合の医療費、失業して再就職するまでの生活費などを補うことができる。ただし、新社会人は何かとモノ入り。まずは生活費の1カ月分を目標に貯蓄を始めてみよう。
結婚費用など、2~3年後に使うことが決まっているお金は、将来のためのお金とは別に貯める。「ゼクシィ結婚トレンド調査2010」によれば、結婚にかかる総費用は325.7万円で、1人当たり約162万。「ただ、豪華な披露宴をしなければ1人100万円でも何とかなるはず。貯めたお金の範囲で結婚式をするのが現実的です」