2011/12/1

職場の知恵

バブル世代を反面教師に

社会の構造がストレスをためさせる要因にもなっている。「バブル世代と同じ仕事をしているにもかかわらず、給与格差があるなど、多くの若者は理不尽な環境で働かされており、過剰ストレスも無理はない」(夏目さん)。

どう対処すべきか。

「バブル世代は消費や目標達成で快楽を得る“ドーパミン的価値観”でやってきたが、今の日本にそれを求めても難しい。ストレスに強いセロトニンは、人の役に立ち、共感することで増えます。バブル世代のドーパミン的価値観は捨て、セロトニン的な価値観に移行するのです」(有田さん)。

とにかく引きずるな! ストレス解消の3つの方法
 ストレス解消で、最も大切なのは引きずらないこと。ためたストレスはできるだけ早く解消する。その日のうちか、就寝して朝起きたら忘れているようにしたい。メンタルの病に突入する重要なサインが不眠。眠れない日が続いたり、寝られても朝早く目が覚めたり(早朝覚醒)すると危険だ。「最もストレス耐性がある人は“いつどこでも寝られる人”。それぐらい睡眠は大事です」(夏目さん)。
 本記事で取り上げたような自律神経の乱れや、不眠などの心的ストレス反応が続く時は、自己対処の範囲を超えている場合が多いので、早めに病院の診察を受けることが大切だ。

この人たちに聞きました

夏目誠(なつめ・まこと)さん
 大阪樟蔭女子大学教授。精神科医。1971年奈良県立医科大学卒業。大阪府立公衆衛生研究所、こころの総合健康センター部長を経て、現在に至る。専攻は産業精神保健、ストレス科学。著書に『勤続疲労に克つ』(ソフトバンク新書)、『「スマイル仮面」症候群』(NHK出版)など。
有田秀穂(ありた・ひでほ)さん
 東邦大学医学部教授。東京大学医学部卒業。東海大学病院で臨床に、筑波大学で脳神経の基礎研究に従事した後、ニューヨーク州立大学に留学。「座禅(呼吸法)が心身に与える効能は、脳内セロトニン神経の働きで説明できる」という学説を提唱。著書に『脳ストレスが消える生き方』(サンマーク出版)など多数。

(日経ビジネスアソシエ 富岡修)

[日経ビジネスアソシエ2011年9月20日号の記事を基に再構成]