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ヒマワリ・稲妻…自然界を司る神秘的な「数式」 美・自然のなかの数学(2)

2013/9/4

一見、数学とは無縁に思える絵画、彫刻などの美術や自然界にも、数学理論に裏づけられた法則がひそんでいる。中でも、フィボナッチ数列、フラクタルなどは、自然界を支配する隠された数と考えられる。数字の謎を、サイエンスナビゲーター・桜井進さんとともに解き明かす。

植物から宇宙まで、自然界の至る所に影響を及ぼす神秘的な数がある。その名はフィボナッチ数列。13世紀イタリアの天才数学者、フィボナッチが考え出したこの数列は、5、8、13のように直前の2つの数の和が次の数となり、隣り合う数の比は限りなく黄金比に近づいていく。

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【 フィボナッチ数列 】

直前の2つの数の和が次の数になり、隣り合う数の比は限りなく黄金比に近づくという不思議な性質を持った数列。数学者フィボナッチは自著のなかで、うさぎのつがいが毎月新しいつがいを生み、生まれたつがいが次の月からつがいを生むと、1年間で何対のつがいが生まれるかという問題で、この独自の数列を世に提示した。


性質1:直前の2数を足した数になっている
性質2:隣り合う数の比が限りなく黄金比に近づく

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ひまわりの種(小花)が隙間なく密集しているのも、フィボナッチ数列に沿った種の配列がなされているため。生物は生き残るために数学を用いている

この数列の、自然界との不思議なつながりの典型がヒマワリの例だ。ヒマワリの種(小花)の配列は、中心の種の次に360度を黄金比で分割した角度である約137.5度の位置に次の種がつき、その繰り返しで数千もの種を密集させている。この角度が1度違うだけで、種の配列は隙間だらけになってしまうのだ。

また、密集した種を真上から見ると、右回り、左回りの2つのらせんが描かれている。このらせんは、4分の1の円弧ごとにフィボナッチ数列の数に見事に合わせて半径を拡大している。さらには、葉も陽光や雨を受けやすいように、フィボナッチ数列の数の比に沿って巧みにその位置をずらして成長させる。

このほか、アンモナイトやオウムガイの殻も、対数らせんと呼ばれる、ヒマワリと同種のらせんを描くことが知られる。松ぼっくりの笠の配列も同様だ。なぜ、多くの生物が、同じ形状のらせんを描くのだろうか。

「ヒマワリは種を少しでも多くつけて子孫を残そうとし、オウムガイは体が成長してもバランスを崩さずに海底で生き延びようとする。つまり、生物が生き残るための最適の選択こそが、どんなに拡大しても、その形状が変わらない対数らせんの採用なのではないでしょうか」(桜井さん)。

ヒマワリの描くらせんを拡大すれば、その形は銀河系宇宙のらせんとも重なるという。フィボナッチ数列は、生命の根源をも担う神聖な数にも思えてくる。

1、1、2、3、5、……とフィボナッチ数列の各数を一辺とする正方形の頂点に沿って曲線を引くと「対数らせん」の一種が描かれる
銀河系の巨大な渦巻きは、フィボナッチ数列を基にした対数らせんの形状によく似ている

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