災害対策のヒントも 夏の宿題の味方、気象科学館気象予報士 伊藤みゆき

気象科学館入口。1997年6月2日にオープンして以来、展示内容も変化・進化している

子供たちは夏休みに入りました。うらやましいと思う半面、宿題に追われるのは懲り懲りという方も多いことでしょう。

私が子供の頃、毎年のように夏休み最後の日に「宿題を片付ける子供たちが気象庁の天気相談所に行列を作っています」というニュースが流れていました。近ごろはインターネットで過去の天気なども調べられるので、気象庁に質問に来る子供も少なくなっているようです。

でも今や気象庁には宿題をやっつける力強い味方「気象科学館」(東京都千代田区)があります。

年中無休で午前10時~午後4時まで、予約も入場料も要りません。受付で気象科学館に行く旨を伝えるだけで入れます。私が訪ねた日も、埼玉などから20人近くの子供たちがカメラとメモを片手に来ていました。

 入り口横には通常なかなか見られないアメダスの機器が展示してあり、ペットボトルから注いだ水を雨量に見立てて測る様子などが見られます。

雨量は雨水を溜めた器の目盛りを読む訳ではなく、0.5ミリの雨を溜められるマスが傾いた回数をカウントする「ししおどしシステム」で測っています。

アメダスの気温計
雨量計。雨水は、漏斗で集められてマスへ流れ込む。片方のマスに0.5ミリの水が溜まると傾いて、センサーでカウントされると同時に排水

機器の前に立ってボタンを押すと、頭上から発射される超音波がはね返る時間を基に身長を計測。この仕組みで積もった雪の深さを測っている

この夏は、まだ北陸や東北で梅雨が明けずに大雨に見舞われている地域がある一方、早くに梅雨明けした地域では猛暑と水不足が心配されています。例えば、山形県の酒田では、7月1日から22日までの雨量が710ミリ。この時点でも「観測史上1位の月間雨量」になるほどの大雨です。逆に千葉県の銚子ではたったの8ミリしか降っていません。平年の1割にも届かない少雨です。今月中、酒田の雨量計は何度も傾いたのに対して銚子の雨量計はほとんど動いていない日が多い…ということになります。

もっと簡単に楽しめるのが、積雪計です。雪ではなく、身長を測ってくれるのです。実際の気象台では、誤ったデータが配信されてしまうので「絶対に超音波に手や足がかからないように」と注意されますが、ここでは大丈夫。しかも、さすがに正確な計測です。

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