今後の課題は、どのようにしてビジネスにつなげるか。宇多田ヒカルのライブ配信は、サントリーのペプシネックスがスポンサーについた。コメントで視聴者から「ペプシさんありがとう」と意見が出るなど、一定の成果はでた。ほかにも、コンテンツの中身とうまく連動したり、時間にひもづけた広告など新しいモデルが出てきている。

ライブ配信は生ものゆえ、リアルタイム視聴が基本。事前に盛り上げを仕掛けづらく、かつコミュニティーのように一定の客を引きつけておくことが難しい。現在、過去のアーカイブを見ている視聴者は世界規模で見ても全体の10%程度にとどまるそうだ。「ユーストリームは、やはりライブが勝負どころ。タイムラインで人が出会い、ライブであるがゆえの一体感を味わえるのが魅力」(中川氏)。

ユーストリームの国内ユニークユーザー数は、2010年1月の約20万人から、同年11月には約530万人と劇的に増加した。インターネット利用者動向調査を行うネットレイティングスのアナリスト鈴木成典氏は、「事業仕分けやはやぶさ帰還の生中継の際に、ツイッターとの相乗効果で大きくユーザー数を伸ばした。現在、ネット生中継の分野は黎明(れいめい)期にあたり、それだけ伸びしろも大きい。キラーコンテンツの登場で、一気に状況が変わる可能性はある」と分析している。

2010年12月の「S-1バトル 殿堂入り表彰式」では、世界初の3D映像での配信を実施。坂本龍一の韓国公演「Playing the Piano」も、それに続いた。世界規模の強みを生かし、今後まだまだ成長する余地はありそうだ。

(日経エンタテインメント! 樫本倫子)

[日経エンタテインメント! 2011年3月号の記事を基に再構成]

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