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報道カメラマンのiPhone撮影塾

鼻の脂でソフトフォーカス iPhoneでモデル撮影に挑戦

2013/11/5

 家族・友人・同僚……。日常生活を撮影の舞台にするスマホ写真の主な被写体は「人物」だ。これまでの連載では、連写アプリを利用して子供たちを上手に撮影する方法などを紹介してきたが、人物に特化した「ポートレート写真」の撮影はどこまで可能か。一眼レフで撮影した写真に匹敵するような作品を目標に、都内の公園で開かれたモデル撮影会に参加し、iPhoneによるポートレート写真の可能性を探ってみた。

ライバルは150人のカメラマン

 報道カメラマンとして、これまで様々な人物を撮影してきたが、モデル撮影会は初めての体験だ。今回は、今年創立48周年を迎えた非営利のモデル撮影クラブ「全東京写真連盟」が主催する定例撮影会に、iPhone片手に参加した。同連盟ではカメラ機能付き携帯電話での参加はネット拡散防止を理由に禁止しているが、今回は特別に使用許可を得て、双眼鏡を装着したiPhone5sとiPhone5の2台態勢で撮影に臨んだ。

撮影に使用したiPhoneと専用望遠レンズと双眼鏡
全東京写真連盟に所属する専属モデル(望遠レンズを装着して撮影)

 台風一過の青空が広がる葛西臨海公園(東京都江戸川区)に集まった写真愛好家の数は、60代前後の男性を中心に150人にのぼった。被写体となるのは約10人の専属女性モデル。プロ顔負けの高級レンズや一眼レフカメラがずらりと並ぶなか、1人で小さなiPhoneを手にすると一気に不安が襲ってきた。

レンズ汚してソフトフォーカス効果

 簡単な説明の後、関係者を含め170人前後が公園内の一角に移動し、各モデルごとに分かれての撮影会が始まった。シャッター音が鳴り響く光景は壮観。負けじとiPhoneを構えて撮影したものの、どうも平凡な写真にしかならない。

レンズを故意に汚してソフトフォーカス効果を作る(望遠レンズを使用)

 そこでふと思い出したのが、デビット・ハミルトンという1970年代に人気となった写真家だ。ハミルトンは「ソフトフォーカスによる人物撮影」で一躍有名になった。ソフトフォーカスは、特殊フィルターを使うことで、霧のなかにいるような効果を出して被写体の輪郭を柔らかく表現するテクニック。これをiPhoneで再現するにはどうしたらいいか――。そこで、特殊フィルターなどは使わずに、レンズを意図的に「汚す」方法を試してみた。

 ちょっと汚いが、鼻の脂などを指に付けて直接レンズをこすり、汚してみる。すると、汚れで画像がぼやけ紗(しゃ)がかかったようなミステリアスな写真を撮ることができた。ハミルトンは80年代に日本のアイドルをこの方法で撮影したこともあり、そういう視点でみると、どこかノスタルジックな写真だ。

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