どちらが有利? じゃんけんで学ぶ「ゲーム理論」桜美林大学教授 芳沢光雄

ところで、ここまでの内容は著書「新体系・高校数学の教科書(上)」で述べたことである。実は、グラフ上の点(4/13、4/13)はゲーム理論で「鞍点(あんてん)」という重要な点である。

次の図のように、グラフにすると馬具の鞍(くら)のように見えることから、この名が付いた。ゲーム理論では、双方の思惑が均衡するような点を指す。


ゲーム理論の「鞍点」の意味とは

では、その意味を別のグラフを使って説明しよう。

グラフを描く前に、表1のゲームを本質的な意味が変わらないように、変形する。AをXに、BをYにそれぞれ取り替えて(確率のxとyは同じ)、得点は表2のようにYからXへ与えるゲームとする。


表2で、-6点をYからXに与えることは、Yの持ち点は6点上がり、Xの持ち点は6点下がることになる。得点差は12になる。また、3点をYからXに与えることは、Yの持ち点は3点下がり、Xの持ち点は3点上がることになる。得点差は6になる。

その結果、グーとグー、グーとパー、パーとグー、パーとパーそれぞれの手が出た後の得点差はすべて、表2は表1の2倍になるだけであり、本質的には同じゲームである。

さらに、表2を一般化させて


と表してみると、以下の4式が成り立つ。


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