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どちらが有利? じゃんけんで学ぶ「ゲーム理論」 桜美林大学教授 芳沢光雄

2012/10/2

全国の学校で出前授業をする芳沢教授

勝負の場で最良の結果を残すにはどうすればよいのか。数学でもいくつか比較・検討する方法がある。例えば、ルーレットやサイコロなどの賭博は偶然性のみが支配している。この場合は確率で論じることができ、17世紀に研究が確立されている。では相手が人間だったらどうなるのか。人の意志が介在する場合の戦略・戦術を考えるのが「ゲーム理論」だ。研究が確立したのは20世紀のことで、ビジネスや国際政治など様々なところで使われている。ゲーム理論の初歩について、じゃんけんを使って考えてみよう。

■戦況の分析などに応用

まず、昔からゲーム理論の対象としてよく取り上げられる戦況・戦術分析について説明したい。代表的な例に、太平洋戦争時、日本軍が連合軍に壊滅させられた「ビスマルク海海戦」がある。

日本軍は島の東側から西側まで物資を運ばなくてはならない。島の南側を通過する場合は晴天で連合軍に発見されやすく、長時間の爆撃を受ける。一方、島の北側を通る場合は雨天で発見されにくく、発見されても短時間の爆撃になる。日本軍は北側を選んだ。しかし、連合軍も同じ判断から偵察機を北側ルートへ向かわせた。多数の敵機が超低空から攻撃を仕掛け、日本軍の輸送船はすべて、沈没したのであった。

日本軍の作戦は間違っていたのか。ゲーム理論では、日本軍が北側を選んだ場合・南側を選んだ場合、連合軍の偵察機が北側を選んだ場合・南側を選んだ場合、合わせて4つのケースに分け、想定される被害などを検討する。ノルマンディー上陸作戦のゲーム理論の分析もよく知られている。


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