私が「株好き・優待好き女子」になった理由投資ビギナー必見 株主優待入門

2013/12/9

桐谷さんの株主優待入門

今回はいつもと趣向を変え、プロ棋士の桐谷広人さんと「株好き・優待好き女子」の小森美紀さんとの対談をお伝えする。親子ほど年齢の離れたお2人だが、株という共通の話題で同世代のように話が盛り上がった。

桐谷 私の出演しているテレビの深夜番組に、あなたがファンレターを送ってくれたのが最初でしたよね。

小森 番組を見ながら「なぜ私が出ているの」と言っちゃうくらい、桐谷さんと私の持っている銘柄が似てたんです。ただ私は優待を使い切れずに無駄にしてしまうことが多いのに、桐谷さんはほぼ使い切っていると聞いて、「このオッサンすごい。ただ者じゃあないな」と。それで株のお友達になってもらえたらと、テレビ局に連絡しました。私はアナログ人間なので紙のお手紙で(笑)。

[左]きりたに・ひろと 64歳。プロ棋士(七段)。1984年の失恋を機に株式投資を始める。現在400以上の優待銘柄を持ち、その優待品で日々の生活をほぼ賄っている。癒される人柄も人気の理由 [右]こもり・みき。 株好きの父親の影響で小学生の頃から『会社四季報』や新聞の相場欄などの数字を見て育ち、大学生で本格的に株デビュー。3年間の証券会社勤務経験も持つ。現在は優待株を中心に多くの銘柄を保有する(写真:いずれも大沼正彦、以下同)

桐谷 手紙には保有銘柄の話などがつづられていて、「株大好き、優待大好き」がよく伝わってくる文面でした。実際に会ってみると大いに盛り上がって、実に楽しい。お若いのに是川銀蔵や石井久など昔の相場師の話もご存じで。投資手法は私とは全く違うので時々ケンカになることもありますが(笑)。最初に「ユーホーが見られる」なんて言うもんだから、UFO(未確認飛行物体)が見られる超能力少女かと思ったら…。

小森 そんな不思議ちゃんじゃないですよ(笑)。

桐谷 有価証券報告書がちゃんと読めるという意味でね。私はそういう難しいものは読めない。『会社四季報』も読めないけど、あなたはきちんと読んで銘柄選びに役立てているから、立派ですね。

長く持てば報われる

小森さんの『会社四季報』は色分けされた付箋で驚くほどカラフル。桐谷さんが何色ものペンを使い分けて投資記録を付けているのにも通じる

小森 そもそも父が株好きで、私が幼い頃から証券マンが出入りしているような家でした。当時はバブル真っただ中。子供心にも株ってすごいなという印象がありました。家に『四季報』も置いてあり、意味は分からなくても数字を見るのが好きだったんです。特に時価総額の何百億円とか、桁の大きな数字が大好物でした(笑)。

桐谷 そうやって小さい頃から自然に数字に親しんでいたから、『四季報』も抵抗なく読めるんでしょうね。自分で株を買い始めたのはいつ頃ですか。

小森 大学生からですが、高校生の頃から欲しい銘柄を父に頼んで贈与税の非課税の範囲で買ってもらっていました。最初の銘柄はオリエンタルランド。ディズニーランドが大好きだから優待の入場券が欲しかった。でも父には「私の投資基準には合わない」と反対されて…。それでもどうしても欲しいので、自分なりに父にプレゼンまでして買ってもらったんです。株価は50万円ぐらいだったかな。でも結局、父の言う通りでした。

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