ソーシャルゲームはなぜハマるのか深田浩嗣氏インタビュー日経エンタテインメント!

今や社会現象となっているソーシャルゲーム。ソーシャルゲームがヒットしている理由を、そのフレームワークから解き明かす『ソーシャルゲームはなぜハマるのか』の著者であり、様々なネットサービスの企画・開発・運営を手がける深田浩嗣氏に、ソーシャルゲームの魅力を聞いた。

学生時代の2000年に株式会社ゆめみを設立し、「モバイルECシステム」や「メール配信システム」など、多くのモバイルネットサービスを手がけてきた深田浩嗣氏。ソーシャルゲームには2010年に参入し、2011年11月から、位置情報と連動した米国の『My Town』を日本で展開。サービス開始からわずか20日間で登録者数が10万人を突破する、順調な出足を見せた。
 深田氏が、2011年9月に上梓したのが、『ソーシャルゲームはなぜハマるのか ゲーミフィケーションが変える顧客満足』。ソーシャルゲームがビジネスとして大成功しているなかで、その理由をゲームのフレームワークから解き明かしている。「なぜ1本300円の仮想釣りざおにお金を払ってしまうのか」「なぜ毎日アクセスしたくなるのか」――ソーシャルゲームはなぜハマるのかを聞いた。

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ソーシャルゲームのとらえかたは変わっていくと思いますが、一般的な定義は「SNS上で遊べるゲーム」。つまり、ソーシャルゲームの強みは、SNSのソーシャル性を使って、ゲームを遊んでいない人にも訴求できること。例えばSNSでブログやメッセージ機能しか使っていない人でも、SNS上でゲーム情報がシェアできるので、友達が遊んでいるゲームの中身や行動が自然と見えてくる。そうすると、ゲームへの関心が高まるので、参加を促せるのです。

ソーシャルゲームの魅力

ふかだ・こうじ  株式会社ゆめみ代表取締役社長。京都大学大学院在学中の2000年1月に現在の主要メンバーとともに株式会社ゆめみ設立。モバイルインターネットサービスの企画・開発・運営を手がけ、「ゲーミフィケーション」の日本での第一人者。著書に『ソーシャルゲームはなぜハマるのか ゲーミフィケーションが変える顧客満足』(ソフトバンククリエイティブ)

ソーシャルゲームが登場して4~5年がたちました。その間に、店舗や農場を広げていく育成・シミュレーション系から、『Mafia Wars』を原点とするミッションクリア型、『ドラゴンコレクション』などのカードバトル型へと、ゲームとしての洗練度は高まってきました。ただ、内容が面白くなっているかは判断が難しいところ。そもそもソーシャルゲームの魅力は、ゲームの面白さとは別のところにあると思っています。ちょっとした時間で遊べるように作られていて、1日に数回アクセスして数分で気軽に楽しめるところがいいわけです。

私自身ゲームが好きなんですが、例えば、『ゼルダの伝説』の新作が出ると分かってレビューを見ると、先進的で非常に評判がいい。ただ、クリアに100時間ぐらいかかるとなると、今の自分にその時間が捻出できるのか躊躇(ちゅうちょ)してしまいます。その点ソーシャルゲームは、コンシューマーゲームほど作り込まれてはいないけど、時間的な制約が少ないし、無料で遊べる。しかも、ユーザー同士で協力するなど、上級者向けの楽しみ方もある。だったら、ソーシャルゲームで遊ぶか、となります。