深田氏が、2011年9月に上梓したのが、『ソーシャルゲームはなぜハマるのか ゲーミフィケーションが変える顧客満足』。ソーシャルゲームがビジネスとして大成功しているなかで、その理由をゲームのフレームワークから解き明かしている。「なぜ1本300円の仮想釣りざおにお金を払ってしまうのか」「なぜ毎日アクセスしたくなるのか」――ソーシャルゲームはなぜハマるのかを聞いた。
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ソーシャルゲームのとらえかたは変わっていくと思いますが、一般的な定義は「SNS上で遊べるゲーム」。つまり、ソーシャルゲームの強みは、SNSのソーシャル性を使って、ゲームを遊んでいない人にも訴求できること。例えばSNSでブログやメッセージ機能しか使っていない人でも、SNS上でゲーム情報がシェアできるので、友達が遊んでいるゲームの中身や行動が自然と見えてくる。そうすると、ゲームへの関心が高まるので、参加を促せるのです。
■ソーシャルゲームの魅力

ソーシャルゲームが登場して4~5年がたちました。その間に、店舗や農場を広げていく育成・シミュレーション系から、『Mafia Wars』を原点とするミッションクリア型、『ドラゴンコレクション』などのカードバトル型へと、ゲームとしての洗練度は高まってきました。ただ、内容が面白くなっているかは判断が難しいところ。そもそもソーシャルゲームの魅力は、ゲームの面白さとは別のところにあると思っています。ちょっとした時間で遊べるように作られていて、1日に数回アクセスして数分で気軽に楽しめるところがいいわけです。
私自身ゲームが好きなんですが、例えば、『ゼルダの伝説』の新作が出ると分かってレビューを見ると、先進的で非常に評判がいい。ただ、クリアに100時間ぐらいかかるとなると、今の自分にその時間が捻出できるのか躊躇(ちゅうちょ)してしまいます。その点ソーシャルゲームは、コンシューマーゲームほど作り込まれてはいないけど、時間的な制約が少ないし、無料で遊べる。しかも、ユーザー同士で協力するなど、上級者向けの楽しみ方もある。だったら、ソーシャルゲームで遊ぶか、となります。