退職後の生活、年金だけでは不十分老後のお金のすべて(3)

本連載ではこれまで公的年金や企業年金といった年金について取り上げてきました。今回(第3回)は、老後の収支のバランスについて解説します。今後、年金の支給額が減ったり支給開始年齢が引き上げられたりする場合に、老後の収入と支出はどのようになるのでしょうか。いくつかのシナリオを立てて分析します。

老後のお金Q&A

【Q】老後の生活費は、年金だけで足りますか。
【A】足らないと考えた方がよさそうです。2010年のデータでは、60歳以上の無職世帯の支出は月24万円程度。貯蓄などを毎月約5万8000円取り崩す状態です。

老後の生活費はいくらくらいかかるのか。総務省の家計調査(2010年)によると、世帯主が60歳以上の無職世帯の消費支出は約24万円。内訳は図1の通りだが、月5万8000円不足する計算になるため、預貯金を取り崩してまかなっている。

図1 高齢無職世帯の収入と支出  世帯主が60歳以上で無職の世帯(世帯員が2人以上)の実収入は21万8388円、そのうち85%は公的年金などの社会保障給付が占める。消費支出は24万5870円で、食費は約6.2万円、住居費は約1.5万円。世帯主が60歳以上の世帯のうち、23%が高齢夫婦無職の世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)となっている。データの出所は総務省「家計調査」(2010年)。

30~50代の現役世代の場合、生活費をさらに切り詰める必要がありそうだ。年金財政の悪化で将来、支給額が減ることや支給開始年齢が引き上げられる(年金をもらえる年齢が上がる)ことが予想される。また、支給額は変わらなくても、消費税の引き上げ、医療費や介護費用の自己負担額引き上げで支出が今より増えると考えられる。

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