日本のカボチャは「パンプキン」ではない?

カボチャは英語で「スクワッシュ」「スカッシュ」

このパンプキン、日本ではもっぱらハロウィーンの飾り物だが、米国ではペースト状に加工して食べている。繊維質で処理が大変なため、裏ごししてペースト状になったものが缶詰として売られている。スープやパイなどに使われるらしい。

ちなみにカボチャを意味する「スクワッシュ」には、同じつづりの動詞や名詞がある。動詞では「押しつぶす」「鎮める」などの意味があり、名詞になると「スカッシュテニス」「レモンスカッシュ」といった言葉でおなじみだ。このため、カボチャのこともスクワッシュではなくスカッシュと書くこともある。ただし「サマー・スカッシュ」だとなんだか飲み物のようで紛らわしい。

辞書で調べてみると、パンプキンには様々な意味がある。ランダムハウス英和大辞典(小学館)によると、「He is some pumpkins」は「彼はたいした男だ」という意味になるが、一方で「s」を付けない「pumpkin」には「ずうたいの大きい人、抜けている人」という意味もあるという。さらには「pumpkin head」だと「のろま、うすのろ、ばか者」となるとか。英語は難しい……。

カンボジア経由で伝わったからカボチャに

ところで、そもそも日本ではなぜ「カボチャ」という名前が付いたのか。

「野菜園芸大百科」(農文協)によると、16世紀中ごろ、カンボジア経由で大分に漂着したポルトガル船が伝えたことからカボチャ、と呼ばれるようになったらしい。

最初に伝わったのは今でいう日本カボチャだったという。中国の南京から伝わった瓜(ウリ)という意味で「南京瓜」「南京」と呼ばれることもある。日本カボチャは煮崩れしにくく、煮物用として定着していった。

19世紀になると米国からも別の品種が伝わり、「西洋カボチャ」と呼ばれるようになった。当初は飼料用だったが、品種改良が進み食用として急速に普及していった。西洋カボチャは日本カボチャに比べて甘みが強く、ホクホクした食感が特徴。高度成長期以降は西洋カボチャが主流となっていった。

大手卸、東京青果の加藤宏一さんは「日本人はホクホクした食感が好き。流通しているカボチャの8割くらいが西洋カボチャではないか」と話す。スーパーの店頭では、「えびす」「みやこ」など西洋カボチャの品種が大半を占めている。

家計調査をみると、カボチャを最も多く食べる都市は新潟市。最も少ない那覇市の倍近い量だ。日本経済新聞の「食の日本地図」を見ると、カボチャのここ数年の支出金額が一目で分かり興味深い。

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