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東京ふしぎ探検隊

2013/11/29

東京ふしぎ探検隊

アルゼンチンには初代丸ノ内線

地下鉄博物館で展示されている初代丸ノ内線。現在、アルゼンチンで現役車両として活躍している

海外への車両譲渡は、多くの場合、現地からの要請が起点となっている。

例えば1995年に帝都高速度交通営団(現・東京メトロ)の初代丸ノ内線車両が渡ったアルゼンチン。1994年当時の報道によると、営団が丸ノ内線車両の廃車を検討していたところ、現地の地下鉄会社から話があった。

丸ノ内線は「第三軌条方式」という日本では採用が少ない方式だったが、たまたまアルゼンチンと一致した。大手商社が仲介したという。

車両の廃車は頻繁にあるわけではない。譲渡に至るまでにはタイミングや条件などいくつものハードルが立ちはだかっている。

ミャンマー国鉄のミンゲ駅に留置された旧三陸鉄道の36形車両(右)。周囲は牛がのんびり歩いている(2013年1月、斎藤幹雄さん撮影)

例えばインドネシアでは、斎藤さんによると主に4つの条件がある。

(1)レール幅と電圧の一致(2)車体がアルミかステンレス(3)車体の長さが1両20メートルで扉が4つ以上ある冷房車(4)抵抗制御車(2010年以降は抵抗制御車以外も一部受け入れている)

JRや東京メトロでは、条件を満たす車両が多い。しかし大手私鉄ではちょうどいい車両が少ないという。東南アジアで活躍する車両がJRや東京メトロ、東急などに限られているのはそのためだ。

ミャンマーでは「あまちゃん」の列車が ブルートレインも

ただしミャンマーでは日本の第三セクターの車両が多い。NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」で話題となった三陸鉄道の旧型車両も活躍中だ。

マレーシア・クルアンに停車する旧JR九州のブルートレイン「富士・はやぶさ」(2012年4月、斎藤幹雄さん撮影)

ミャンマーやタイ、マレーシアには日本で人気を集めたブルートレインが譲渡されている。

斎藤さんによると、マレーシアではJR九州のブルートレイン「富士・はやぶさ」がそのままの姿で走っているという。同国では日本の車両であることがプレミアムになっているようだ。こうした懐かしの列車と再会するため日本からわざわざ訪れる人もいる。

東南アジア以外ではどうか。南米はレール幅が1435ミリや1600ミリと広く、東アジアは政治リスクを抱える。ロシアにもかつて渡ったことがあったが、寒冷地対応が難しく、今は残っていない。今後も東南アジアが主な譲渡先となりそうだ。


インドネシア・ジャカルタ市のドゥリ駅を発車する旧東急8500系車両。線路脇には住民が暮らしている。インドネシアでは珍しくない光景だという(2013年5月、斎藤幹雄さん撮影)
フィリピン・マニラ港に到着し、陸送される旧JR東日本203系車両。千代田線でも使われていた。トレーラーで工場に向かう(2011年9月、斎藤幹雄さん撮影)
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