マクロビオティックで健康になる温泉宿日経おとなのOFF

2012/8/1

こだわりOFF

肉類や卵、乳製品、白砂糖を断ち、玄米や雑穀を主に、乾物や旬の野菜を加えた食事療法がマクロビオティック。厳格に運用するのは容易でないが、旅先で体験できるとしたらチャレンジしたい方も多いのではないだろうか。本記事ではマクロビオティックを体験できる湯宿を紹介する。

山河旅館(さんがりょかん・黒川温泉◎熊本)

若女将が提案する 地元食材を堪能できる無農薬野菜の会席

1.マクロビオティック会席の献立

黒川温泉郷の下手、田ノ原川沿いの木々に囲まれた谷間の一軒宿。温泉街の中心地から少し離れたその辺りには建物一つなく、静かでゆったりとした時間が流れている。3000坪の敷地に母屋、東棟、西棟、離れからなる客室が点在し、自然と共存する中庭は散策に最適だ。敷地内には2つの源泉を持ち、露天風呂は高血圧やアトピー性皮膚炎などに、内湯「薬師の湯」は皮膚病などのほか、飲用すれば胃腸や高血圧にも効果があるという。

2.緑を望む貸し切りの露天風呂「六尺桶」 3.木立に囲まれた、混浴の露天風呂「もやいの湯」

食事は旬の味覚を使った通常の献立のほか、数年前から「マクロビオティック会席」(母屋タイプ1万5900円、風呂付き客室1万8000円~)を始めた。若女将の後藤麻友さんが、板長と研究を重ねた自信作で、四季折々の地元産野菜をふんだんに盛り込んだ料理で構成される。

専用の切石風呂が付いた、西棟にある8畳の客室「ひさかき」。

「最初のうちはマクロビオティックを難しく考えていたのですが、今は、『地元で取れた無農薬野菜や穀物を丸ごとおいしく食べていただく方法』として、楽しく取り組んでいます」(後藤さん)。

根菜は皮ごと炊き合わせるなど、素材本来の旨みを伝えることを大切にしており、美しく盛りつけられた繊細な料理は、どこかほっこりとした、心安らぐ素朴さにあふれている。「お料理に感動しました。作り手の“思い”が詰まっていて、生命あるものをいただいているのを感じました」とは、宿泊客から寄せられた感想。後藤さんの思いは着々と支持を広げている。

Data

熊本県阿蘇郡南小国町黒川温泉
Tel 0967・44・0906
チェックイン15時、アウト10時
全15室(うち離れ1室)
内風呂(男女各1)、露天風呂(混浴1、女1)、家族風呂3
大人2人で1室利用の1人料金(1泊2食付、税サ込)
平日 1万3800円~2万4300円
休前日 1万5900円~2万4300円
http://www.sanga-ryokan.com/

注) データは雑誌掲載時のもので現在の情報とは違う可能性もあります

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