働き方・学び方

集まれ!ほっとエイジ

介護保険は難しい そのとき勉強では手遅れに 介護コンサルタント 中村寿美子氏

2012/8/31

■追加サービスに注意、全額自己負担になる施設も

――有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅などは、どう使い分けたらいいのでしょうか。

中村 有料老人ホームの中にも介護付きと住宅型の2つのタイプがあります。介護付き有料老人ホームというのは24時間サービスがついているので安心して職員に世話してもらえるのですが、一方で介護保険を100%そこで使い切ってしまう建前なので、ほかのサービスを利用したくてもその部分は全額自費じゃないと使えない。たとえば自宅にいたときに福祉用具を借りていて、ホームに入っても使いたいと思っても、自費で買い取るか、自分の費用負担でレンタルするしかないのです。

日中独居だからとホームに入っていて、日曜日だけ自宅で過ごすというときにヘルパーを頼みたいと思っても、自費で頼むしかないのです。

――それならば、初めから住宅型老人ホームを選び、外部の介護サービス頼めばいいのではないでしょうか。住宅型にはどんなデメリットがあるんですか。

中村 要介護度が重くなったときに、限度額の範囲で十分な介護が受けられるかという問題があります。

■パンフレットに惑わされないで、経営者・職員としっかり話を

――有料老人ホームを紹介するときに中村さんがアドバイスするポイントは何ですか。

中村 民間が手掛けているので、経営者の姿勢が一番大事です。どういう理念でホームを運営しているか。その仕組みを100%情報開示しているか。経営者の考え方が一番はっきり出てくるのが「重要事項説明書」です。これをすべて読むと経営者の理念が分かってくる。パンフレットは広告なので、パンフレットに惑わされないで、自分の目、耳、足で確かめてほしい。何回も足を運び、経営者だけでなく職員と話をすることも大切です。

――住宅型有料老人ホームと、サービス付き高齢者住宅は、外部の介護サービスを使うというところは同じで、外から見ればよく似ているのですが、どう違うのですか。

中村 全く別物です。住宅型老人ホームは介護サービスは別ですが、職員は24時間いるし、看護師や専門家もいる。ヘルパーが排せつ介助した汚れたものは汚物処理室があって、そこで対処もしてくれる。

サービス付き高齢者住宅は、賃貸住宅ですからそういう共有部分を設ける必要はありません。しかし、有料老人ホームであってもサービス付き高齢者住宅にも登録できるので、ホームごとにサービスが違うと思ったほうがいいです。

――介護サービス向上のために必要なことは何ですか。

中村 いま介護サービスを担当しているのが介護福祉士とヘルパー2級ですが、これらの資格を持っている人を対象に、年に1回、フォローアップ研修をする制度をぜひ、作ってほしいですね。そうすれば、本人たちの自覚も変わるし、努力も違ってくると思います。何より、サービスを受ける側に、安心感が生まれます。

(ラジオNIKKEIプロデューサー 相川浩之)

[ラジオNIKKEI「集まれ!ほっとエイジ」7月18日、25日放送の番組を基に再構成]

「集まれ!ほっとエイジ」(ベネッセスタイルケア、野村證券提供)は、変化を恐れない果敢なシニアたち=ほっとエイジが、超高齢社会をどう生き抜くか、を考えるラジオNIKKEIの番組(http://www.radionikkei.jp/hot-age/)。月曜日が、ライフワークに生涯を捧げることを提案する「目指せ!生涯現役」。火曜日が、学校では教えてくれない親の介護、マネープラン、人生90年時代の人生設計を学べる「シニア予備校」。水曜日が、介護サービスを検証するとともに、どんなシニア向けビジネスに可能性があるのかを探る「シニアビジネス研究所」。木曜日が、どうすれば幸せな長寿社会を生きられるかを考える「理想の長寿社会を語ろう」。バックナンバーはネットで聴くことができます。キャスターは相川浩之、町亞聖(月~水)、大宮杜喜子(木)。

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