授業で数式と格闘、ノート取りも一苦労熟年クマガール雑記

「なんで、こんなミジメな目に遭うのだろう」。この春から、出席の度にのた打ち回っている授業が「個体群生態学」だ。生態学なら多少はかじっているから何とかなるだろうとタカをくくって受講したが、現実は厳しかった。

魚・海・船…クマ以外の勉強にも興味

数式に悩まされる(東京都港区の東京海洋大学)

「発見関数g(x)イコールeのマイナスax乗だから、発見確率f(x)イコールeのマイナスax乗をa分の1で割ったものイコール…」「最尤(ゆう)推定法は尤度関数あるいは対数尤度関数を最大にするパラメータの値をその推定値とし…」。なめらかに繰り出される東京海洋大の鈴木直樹准教授の言葉は、私には未知の外国語としか思えない。毎週のように微分・積分の数式が黒板狭しと躍り、演算もやらされる。

私も一応、ノート上にサラサラとボールペンを走らせるが、大抵は計算でなく落書きをしているだけだ。先生が机のそばに回ってくると、あわてて手で隠し、天井をにらんで考えているふりをする。これまでに解けたのは、「小学校でも習ったよね、これ」と先生が言った、たった1問だった。

微分、積分、関数・・・。懸命にノートを取る

研究生として東京農工大に入学したが、図書館などは利用できても、大手を振って授業に出ることはできない。試験を受け、単位を取るには、「科目等履修生」という、お役所用語みたいな身分が必要だ。科目ごとの申請で、授業料は国立の場合、1科目(半年で2単位)が3万円弱。いきおい、コスト意識が働くから、1回でも休むと「もったいない」という気になる。

野生動物の保全や管理を学ぶには、動物の生態はもちろん、データ解析のための統計手法から環境政策まで幅広い勉強が欠かせない。私が大の苦手とする数学の基礎知識もあちこちで求められる。お手上げの科目もいくつかあったが、一方で、VHF(超短波)を使ってアライグマの追跡実習をしたり、日本から消えたオオカミ再導入の是非を論じたりと、楽しい経験もたくさん積んだ。

今は、より通学に便利な東京海洋大でも学んでいる。昔の東京水産大と東京商船大が一緒になった大学だから、魚やクジラに関連した授業が多い。私の好きなクマとはスレ違う部分もあるが、基本は共通しているので、それなりに参考になる。

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40年前のすし詰め大教室とは様変わり