■ほぐしている裏で背中が鍛えられる
さらに、伸びた背中側を鍛える「腕引き体操」で仕上げを。
鍛える、といっても、この体操は、固まった背中や肩、腕まわりがストレッチできる気持ちいい体操なんです。「あぁ、ほぐれる~」という気持ちになりながら、実は肩から背中にかけてある「僧帽筋の下側」や背中から脇腹にかけて走っている「広背筋」が鍛えられている、というおトクな体操でもあります。
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【伸びた背中側を鍛える】
猫背姿勢によって伸びてなまけている、背中の筋肉と、首の前の筋肉をトレーニングする。

最初に肩甲骨を伸ばす意識で、水泳の「蹴伸び」のように背中を伸ばす。あごを引くと首の後ろも伸びます。10秒伸びたら、首は真っすぐにし、ひじを引いて10秒。このとき大胸筋がストレッチされています。次に、ひじの位置はそのままに、手のひらを前に向ける。このとき、小胸筋がストレッチされていますね。自然にひじが下がってしまう人は大胸筋が硬い証拠です。ひじが下がらないように意識すると、背中の筋肉がぐーんと刺激されます。
胸を広げるって気持ちいいな、いつもより呼吸も深くなってきた、と感じられたら、心の凝りもほぐれてきますよ。

竹井仁(たけい・ひとし)
首都大学東京 健康福祉学部理学療法学科准教授。1966年、愛媛県生まれ。筑波大学大学院修士課程(リハビリテーション)修了。2002年、医学博士(解剖学)学位取得。理学療法士。医学的知識に基づいた筋力トレーニング、リハビリテーションを研究する。著書に『不調リセット』(ヴィレッジブックス)などがある。
首都大学東京 健康福祉学部理学療法学科准教授。1966年、愛媛県生まれ。筑波大学大学院修士課程(リハビリテーション)修了。2002年、医学博士(解剖学)学位取得。理学療法士。医学的知識に基づいた筋力トレーニング、リハビリテーションを研究する。著書に『不調リセット』(ヴィレッジブックス)などがある。
(ライター 柳本操、構成/日経ヘルス 宇野麻由子)
[日経ヘルス2011年6月号の記事を基に再構成]