2014/3/12

トラベルセレクション

早期リタイアではない、価値観の変更

「学びの会」に東京都世田谷区から3年間通い、八ケ岳の自然が気に入って、移住してしまった家族もいる。

吉田さん一家が移住した北杜市白州町の自宅。150坪(500平方メートル)の土地に3LDK(76平方メートル)の平屋が立つ。上は、近所の人からもらった耕運機を試す吉田さん夫妻

吉田哲之さん(48歳)・京(みやこ)さん(44歳)夫妻と子供2人の一家である。吉田さん夫妻は大手電機メーカーで社内結婚し、共働きをしていた。2009年に「学びの会」に夫婦で参加。安全な食や有機栽培に興味があり、子供を育てるのにふさわしい環境を探していたという。

雪に覆われた吉田さんの畑。3カ所に分かれ、合計4反(4000平方メートル)の広さ

「学びの会」に参加して2年目の10年秋、北杜市白州町に4反(約4000平方メートル)の畑が付いた築25年の平屋住宅を購入した。当初はセカンドハウス(別荘)として使っていたが、まず妻の京さん、続いて夫の哲之さんも昨年退職し、一家で八ケ岳に引っ越してきた。現在は、自然農を中心とした専業農家を目指している。

「いわゆる早期リタイアではなく、価値観の変更を伴う転職です。収入は少なくなりますが、必要なものをできるだけ自給自足で賄う低支出なライフスタイルに切り替えればいい。理想は、農業の収入だけで生活することですが、状況によっては、半農半X(エックス)でほかの仕事もしていく覚悟です」と哲之さん。

10歳の長女は「いろんな鳥がきれいな声で歌っているのに驚きました」とうれしそうだった。


(ライター 岡田正樹、写真 藤枝善亮)

[日経おとなのOFF 2014年3月号の記事を基に再構成]