体の中の「生ゴミ」再生システムで たんぱく質をリサイクル働きもののカラダの仕組み 北村昌陽

「細胞内はたんぱく質が密に詰まっており、変性たんぱく質もそこらじゅうで発生します。大ざっぱなやり方でも、掃除として十分機能するのでしょう」

なるほど。常にスクラップ&ビルドをしていれば、全体として鮮度が保たれるというわけか。体の営みというと何となく“精密なもの”というイメージがあるけれど、こんなおおらかな方法がしっかり機能するのもまた興味深い。

生まれた直後の赤ちゃんは分解がピークになる

 

オートファジーの活性は常に一定ではない。例えば出産直後の赤ちゃんの体内では、活性が一気に高くなっているという。

「胎児にとって子宮の外は全く別世界。自力で呼吸し、栄養を摂る新しい生活に合わせて、体を作り替える必要があります」。このとき赤血球や心筋のたんぱく質が、胎児型から成人型に交換される。胎児時代のたんぱく質を壊す大規模なオートファジーが起きているのだ。

新しい体になるときは、まず古いものを壊す。ほぉ、何だかありがたいメッセージにも聞こえるぞ。オートファジー、覚えておこう。

北村昌陽(きたむら・まさひ)
生命科学ジャーナリスト。医療専門誌や健康情報誌の編集部に計17年在籍したのち独立。主に生命科学と医療・健康に関わる分野で取材・執筆活動を続けている。著書『カラダの声をきく健康学』(岩波書店)。

[日経ヘルス2012年1月号の記事を基に再構成]

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