家で飲むビールを名店の味にする方法日経おとなのOFF

パブやビアホールで飲むビールは旨い。なのに、家で飲むビールは、いま一つ。しかし、飲食店のサーバー>も缶も瓶も中身は同じビールである。飲み方を工夫すればもっと美味しくビールが飲めるはず。そこでビールの達人たちを訪ねて、その秘訣を探ってみた。
ビールは日光に当てない  ビールの苦み成分は、光によって分解されやすい。分解された苦み成分は、ビール中の別の成分と結合して、日光臭が生じる。販売店での扱い方にも目を配りたい。

デリケートなビールは、振動、温度、鮮度に要注意

「ビールは人の手によって旨くもまずくもなる繊細な飲み物なんです」と語るのは、ビール注ぎの名手・ビアライゼ’98の松尾光平氏。

その言葉通り、まず心得ておきたいことは、ビールはそのカジュアルなイメージに似合わず、意外とデリケートな酒であるということだ。保存の際も日光に当てたり高温の場所に置いたりしないことが大切。日光にさらすと、「日光臭」といわれる不快な匂いが発生する。実際、炎天下に半日置いた瓶ビールを冷やして飲んでみたが、蒸れたような匂いが漂い、とても1本飲み干せないほどにトゲトゲしい味になってしまった。さらに、激しく揺れるとビール中の炭酸ガスが分離してしまうので、振動や衝撃にも気をつけたい。

冷蔵庫の奥に入れる 温度の上下を繰り返すと品質の劣化が加速される。冷蔵庫の中では、温度変化の少ない奥の方に入れること。横にすると空気に触れる面が大きくなり、酸化を早めるので、立てた状態で。
冷蔵庫の扉側に入れない  振動はビールの大敵。冷蔵庫のドア側のポケットに入れると、ドアの開け閉めのたびに揺れるため、味も香りも損なわれるので要注意。

「工場から出荷される時点では、瓶も缶も同じビールが入っています。でも、瓶ビールのほうが美味しいという説がありますよね。これは一概に間違いとはいえないんです。つまり瓶は割れるので、輸送の段階でも販売店でも、缶よりも大切に扱う傾向があるから」と松尾氏。

つまり、自動販売機からゴロゴロと転がって出てきた缶ビールをすぐに飲むのは賢い飲み方ではないということだ。

ビールの温度は好みもあるが、冷やしすぎると濁りの原因となり泡立ちも悪くなる。時間がないからと、冷凍庫で急速に冷やすことはNG。

さらに大事なことは鮮度である。新鮮さはビールの命。瓶や缶に入っているとはいえ、ビールは保存食ではない。賞味期限内であっても、できるだけ早く飲むほうがいい。